あなたがリベラルか保守かは、「気持ち悪い写真」に対する脳の反応でわかる(研究結果)

ある一風変わった研究によれば、うじ虫や、バラバラにされた動物の死骸、ひどく汚れたキッチンシンクなどの写真に対する「脳の反応」によって、その人がリベラルか保守派かを、かなり正確に言い当てることができるという。
polygraphus via Getty Images

ある一風変わった研究によれば、ウジ虫や、バラバラにされた動物の死骸、ひどく汚れたキッチンシンクなどの写真に対する「脳の反応」によって、その人がリベラルか保守派かを、かなり正確に言い当てることができるという。

この研究を率いたバージニア工科大学カリリオン研究所のリード・モンタギュー教授は、研究に関するリリースで、「驚くべきことに、不快な写真に対する脳の反応だけで、その人の政治的信条が十分に予測できることがわかった」と述べている。

学術誌「Current Biology」に掲載されたこの研究では、83人の男性と女性の被験者に一連の画像を見せ、そのときの脳の活動状態をfMRIと呼ばれる装置で観察した。被験者に見せられた画像には、上述したような不快な写真のほかに、赤ちゃんや美しい風景といった快く感じる写真、そして中立的な写真が混在していた。

その後、被験者はそれぞれの写真について、どのくらい「ゾッとした」か等の評価を求められ、さらに政治的信条の調査も受けた。この調査には、公立学校における礼拝は違憲かどうかという問題や、銃規制、移民、同性婚に対する考え方についての質問が含まれていた。

写真の評価では、リベラルな人と保守的な人に大きな違いはなかった。しかし研究チームは、その人がリベラルか保守派かによって、写真を見たときの脳の活動状態に違いがあることに気付いた。

具体的には、嫌悪感や感情の制御、注意力、そして記憶に関連する脳の領域の活動に違いが生じ、その部分の活動を分析して、その人の政治的傾向を95%の精度で予測できるほどだったという。また、リリースによると、保守派の人は、不快な画像に対してより大きな反応を示すという。

こうした不快な画像に対する反応の違いは、脳の先天的な「配線」による、つまり、遺伝的に引き継いだものである可能性が高い、と研究チームは考えている(もともとは、病気や汚染を遠ざけようとした原始的な反応から生じたものと研究チームは見ている)。

ただし、モンタギュー教授によると、遺伝子が政治的な考え方に及ぼす影響は固定的なものではなく、ちょうど「身長の遺伝」と同じようなものだという。つまり、「人の身長は遺伝によって決まるが、遺伝だけで決まるわけではない。人の最終的な身長は、栄養や睡眠、飢餓などで変わりうる。とはいえ、背の高い人の子供はやはり背が高い傾向があり、そこが出発点になると考えてもいいだろう」とのことだ。

さらにモンタギュー教授は、脳の遺伝的構造によって政治的な考え方の違いが生じるという認識は、政治的緊張の緩和に役立つ可能性もあると付け加えた。

「政治的な問題に対して半ば自動的に起きる反応が、まさに反射的な「反応」にすぎないのかもしれない、ということが理解され始めれば、沸き立つボイラーのような最近の激しい政治的議論の温度を、少しは下げられるのではないでしょうか」と、モンタギュー教授は述べている。

文末のスライドショーでは、特別な手法で色付けされた脳細胞の写真を紹介している。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]

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