南米アルゼンチンの動物園で20年間、飼育されてきたオランウータンについて、南米アルゼンチンの裁判所は12月19日、メスのオランウータンを動物園から解放するよう命じる異例の判決を出した。世界で初めてオランウータンに「人権」が認められたとして、注目を集めている。22日、朝日新聞デジタルなどが報じた。
この裁判は、首都ブエノスアイレスにある動物園で20年間飼育されてきたオランウータンのメス「サンドラ」について、動物保護団体が不当な監禁状態に置かれているとして、より自由が確保された環境で暮らせるようにすべきだと訴えていたもの。サンドラは、1986年にドイツの動物園で生まれ、94年にアルゼンチンへ移されていた。
判決は、3人の裁判官が全員一致で、オランウータンも「人間と同等の権利があり、自由を享受できる」との結論を出したという。
19日の判決は「動物であっても、類人猿のオランウータンには基本的な権利は認められるべきだ」と指摘。3人の裁判官が全員一致で、オランウータンでも法的には人間と同等の権利があり、自由を享受できると結論づけた。最高裁が結論を見直す可能性もあるが、ブラジルの保護区に移されることが検討されている。
(オランウータンにも「人権」 南米の裁判所、解放を命令:朝日新聞デジタルより 2014/12/24 11:30)
NHKによれば、動物保護団体側の弁護士は「動物園やサーカス、研究所で不当に自由が奪われている他の知的動物にも道を開くものだ」と歓迎する一方、動物園の担当者は「動物たちの行動を人間の行動に当てはめて考えるのは間違いだ」と述べて困惑した反応を見せたという。
サンドラは22日、飼育場の周りに集まった大勢の報道陣を前にして、平然とした様子で、メロンを食べたりその皮を頭に乗せたりして、カメラの前で愛嬌を振りまいていた。
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