大韓航空を運営する韓進グループ会長の娘で、大韓航空の副社長だった趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が、機内でナッツを勧めた客室乗務員に激しく怒り、飛行機を引き返させてチーフパーサーを飛行機から降ろした「ナッツリターン」騒動で、チーフパーサーが大韓航空から虚偽の証言をするよう強要された事実が、検察の捜査でほぼ確認された。
チーフパーサーのパク・チャンジン氏は12月12日に韓国テレビ局のインタビューに応じ、「『チーフパーサーがマニュアルを熟知しておらず、趙前副社長が怒ったが、ののしられたことはなく、自ら飛行機を降りた』と証言するよう強要された」と述べていた。
ハフィントンポスト韓国版に掲載された韓国紙「ハンギョレ」の記事から。
12月12日、テレビのインタビューに応じるチーフパーサーのパク・チャンジン氏
趙顕娥(チョ・ヒョナ)・前大韓航空副社長の「ナッツリターン」事件で、大韓航空の幹部役員を通じて、チーフパーサーや乗務員に虚偽の証言をするよう「指示」した事実が検察の捜査でわかった。検察は早ければ18日にも、趙前副社長に対し、証拠隠滅教唆と威力業務妨害などの容疑で、身柄拘束のための令状を請求することにした。
ソウル西部地検刑事5部は17日、趙前副社長への聴取の結果、趙氏が自身に不利な証拠(証言)を事前に口裏合わせしたり、噓の証言をしたりするよう指示した疑い(証拠隠滅教唆)をほぼ確認し、事前拘束令状を請求することにした。検察幹部は「大企業があらゆる方法で事件を隠匿しようとした。原則通り処理せざるを得ない事案」と話した。
検察は、大韓航空の常務が、ニューヨーク発のエアバスA380型機の機内で趙前副社長が暴言、暴行を働いた事実を把握したにも関わらず、被害者のチーフパーサーや乗務員に、国土交通部の調査に対して虚偽の証言をするようにそそのかし、このやりとりを趙前副社長に事前、事後に報告していたことも分かった。当時、機内で趙前副社長は「この飛行機は飛べないよ」などと発言していた。検察は、常務ら証拠隠滅に関与した役員も順次、任意出頭を求め、刑事処罰する方針だ。
これに先立ち、趙前副社長は午後1時50分、ソウル西部地検庁舎に任意出頭し取り調べを受けた。報道陣の質問に対し、顔を伏せて「申し訳ありません」とだけ答え、時折涙を見せた。
一方、チーフパーサーのパク・チャンジン氏は12月17日、テレビに出演し、趙前副社長が14日に自宅を訪れて残していった謝罪文を公開した。手帳の1ページを切り取って、手書きで「直接お会いして謝罪を申し上げるつもりでしたが、お会いできませんでした。申し訳ありません」と書かれていた。
【補足】2015/12/21 14:35
当初の記事で「ニューヨーク発A380便」とありましたが、正確には「ニューヨーク発のエアバスA380型機」でした。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー
関連記事