「インターネットでは猫が圧倒的に人気がある」と思っている人は多いだろう。ところが、2014年のYouTube人気ビデオランキングで首位の座についたのは、別の動物だった ― それはスパイダードッグだ。
YouTubeの全世界2014年人気動画ランキングの第1位に輝いたのは、「Mutant Giant Spider Dog(突然変異の巨大スパイダードッグ)」だった。
タランチュラの衣装を着た犬が人々を怖がらせたこの動画は、心臓の飛び出そうな「Devil Baby Attack(デビルベイビーの襲撃)」や、Appleファンをぞっとさせた「iPhone 6 Bend Test(iPhone 6の折り曲げテスト)」、ニューヨークのストリートハラスメントを世界に知らしめた「10 Hours of Walking in NYC As a Woman(女性がニューヨークを10時間歩いたら)」などの並みいるライバルを抑えてトップとなった。
Google社の広報担当者がハフポストUS版のメール取材に対して説明したところによれば、12月9日に発表されたこの「トレンドのデータ」をまとめたリストは、2014年に話題になった動画がなんだったのかを明らかにするためのもので、「共有」や「いいね」、レスポンスの数などを元に作られているという。
選ばれた動画には、総視聴回数に従って順位がつけられている。第1位の「突然変異の巨大スパイダードッグ」は、1億1300万回の視聴回数を誇る。2位につけたNike社の広告動画の視聴回数は9800万回ほどなので、接戦にもならなかったわけだ(なお、突然変異の巨大スパイダードッグは、いたずら動画で知られるポーランドの映像制作者、SAワルデガさんが公開したものだ)。
このランキングに、猫はランク入りすることはなかったが、犬はもう1頭登場している。バドワイザーがスーパーボウルで放送したCM「Puppy Love(子犬の愛)」だ。
今年は、不機嫌顔で有名になった猫「グランピー・キャット」が主演したオリジナルムービー「Grumpy Cat's Worst Christmas Ever(グランピー・キャットの、史上最悪のクリスマス)」が公開された。それを考えると2014年のトップ10リストに犬の動画が2本ランクインしていながら、猫の動画は1本も入っていない意外な気もするかもしれないが、YouTubeの検索データを見ても、2012年半ば以降は、猫よりも犬のほうが人気を集めていることがうかがえる。
YouTube検索トレンドの犬と猫の比較。ただし、2014年に「犬(ドッグ)」の検索が急増したのは、人気ビデオゲーム「Watch Dogs(ウォッチドッグス)」のリリースによるものだ。タイトルにはDogsと付いているが、このゲームはハッカーが都市を破壊する内容だ。
さらにYouTubeによる2012年と2013年のトップ10動画にも、猫は登場していなかった。だからもし、「みんなが見たいのは、2匹の猫がボールで遊んでいる動画だ」と誰かに言われたとしても、「それよりも見たい動画がある」と自信をもって答えられるはずだ。データによると、私たち視聴者が本当に見たいと思っているのは、蜘蛛の扮装をした犬なのだから。
なお、Google社の広報担当者は、こう説明している。「YouTubeは、もはや猫の動画を見るだけのものではなく、大きな進歩を遂げています。たとえば、『教育』カテゴリーの動画の視聴回数は、『ペット・動物』カテゴリーの動画の5倍にのぼっています」
1. Mutant Giant Spider Dog(突然変異の巨大スパイダードッグ)(SAワルデガ)
2. Nikeサッカー:激戦上等、ロナウド、ネイマール、ルーニー、イブラヒモビッチ、イニエスタなどが出演
3. FIRST KISS(ファーストキス)
4.イタリアのオーディション番組「ザ・ボイス・オブ・イタリー」で優勝した修道女クリスティーナ・スクッチャさんの出演回
5. iPhone 6 Plus Bend Test(iPhone 6の折り曲げテスト)
6. イギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、少年ラップユニット「バーズ・アンド・メロディのパフォーマンスに、審査員のサイモン・コーウェルがゴールデンブザーを鳴らした回
7. 第48回スーパーボウルでのハドワイザーの広告「子犬の愛」
8. Devil Baby Attack(デビルベイビーの襲撃)
9. Goku vs Superman. Epic Rap Battles of History Season 3.(悟空vs.スーパーマン:エピック・ラップ・バトル・オブ・ヒストリー、シーズン3)
10. 10 Hours of Walking in NYC as a Woman(女性がニューヨークを10時間歩いたら)
この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。
[日本語版:梅田智世/ガリレオ]
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