麻生太郎財務相が12月7日、札幌市内での衆院選応援演説で、社会保障費が増加していることについて「高齢者が悪いようなイメージをつくっている人がいっぱいいるが、子供を産まない方が問題だ」と述べた。このニュースを海外メディアは「今度は若い女性に矛先を向けた」「これまでもしょっちゅう失言している」などと報じている。
「ナチ好きの副首相、今度は…」
AFPは「失言しやすい日本の副首相、若い女性に非難の矛先を向ける」と題した記事で、これまでの麻生氏の失言を取り上げた。
記事では1.4%と低い出生率や、人口ピラミッドが逆三角形となっている日本の現状を説明。保育の欠乏や財政の不安などが、少子化につながっているとの批判が日本にあることを紹介した。
そのうえで、麻生氏が2013年1月に、高齢者などの終末医療をめぐって「さっさと死ねるように」と述べたことを記事の冒頭や文末で紹介したほか、2014年12月6日の応援演説で言った「利益出してない企業は運が悪いか能力ない」との発言、2013年7月にナチス政権について「手口を学んだらどうか」と発言したことなどを取り上げた。
この記事は、世界各国のニュースサイトに配信されているが、マレーシアのマレーメールは「ナチ好きの日本の副首相、今度は“産まない人々”に非難の矛先を向けた」との見出しに変えて報じた。
「“大口たたき”の麻生…」
中国共産党の機関紙の国際版・環球時報(電子版)は「“大口叩き”の麻生:社会保障費の増加は子供持たない人が問題」との記事を配信した。
記事は麻生氏を「日本の副首相兼財務相は、いつも歯に衣を着せずに物を言い、失言もしょっちゅうなので、日本のメディアは彼に“大口たたき”というニックネームを付けた。首相時代には失言を繰り返したので世間の批判を浴び、辞任のきっかけとなった」と紹介したうえで、麻生氏の今回の発言を報じた。
記事は、「国自体が子供が持てる状況ではない」という民主党の海江田代表の発言も、共同通信の記事から引用。「経済的理由や働き方によって子供を産めないのだ。この問題を何とかしないといけないのに、麻生氏は全くそういう自覚がない。許していいはずがない」と報じている。
さらに、麻生氏の政治家としての背景にも言及。「保守的なイデオロギーを持ち、歴史の知識があやふやで、大げさでありズバズバモノを言う。マンガを愛し、漢字を読み間違い、メディアからは“大口叩き”と呼ばれる」と締めくくった。
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