絵本「マララさん こんにちは 世界でいちばん勇敢な少女へ」の表紙=西村書店提供
17歳という史上最年少でノーベル平和賞を受賞した少女、マララ・ユスフザイさんの授賞式が12月10日、ノルウェーの首都オスロで行われる。マララさんへ世界中の女の子たちから寄せられたメッセージを美しい写真とともに掲載した絵本「マララさん こんにちは 世界でいちばん勇敢な少女へ」(文ローズマリー・マカーニー、西村書店)が11月に発売された。
絵本の翻訳者で、マララさんの自伝「わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女」も訳した西田佳子さんが、ハフポスト日本版に次のようなコメントを寄せた。
この本は、「すべての女の子が教育を受ける権利がある」と訴えるマララさんの活動に共感し、勇気づけられた女の子たちの声を集めたものです。
「女の子だから学校に行けない」「女の子だからまだ幼いうちに結婚させられる」といった現実に苦しむ女の子たちが、マララさんとともに声をあげることを決意しました。この写真絵本を通して、彼女たちの叫びに耳を傾けてみてください。こんな女の子たちがいるという現実に思いを寄せてみてください。
注目すべきはマララさんだけではないし、写真にうつっている女の子だけでもありません。声をあげることもできずにいる女の子、学校に行くことができない子──差別や貧困や搾取に苦しんでいる子どもたちすべてが、この本の主役なのです。
■「マララはわたしたちの代表だから」
マララさんはパキスタン出身。2012年10月、女子教育の権利を訴えていたことでイスラム過激派に銃撃された。イギリスに運ばれて治療を受け、命を取り留めた。
この絵本は、「親愛なるマララへ あなたに会ったことはないけれど、なんだか親しみを感じるわ。」と始まる。インドネシアやニカラグア、ネパールペルー、ニジェール、エルサルバドルなど世界中の少女たちの写真が続く。「みんな、あなたといっしょに手をあげるよ。マララはわたしたちの代表だから。」
巻末では、2013年7月12日のマララさんの誕生日「マララ・デー」にマララさんが国連でスピーチした内容を子供向けにわかりやすく紹介している。
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西田佳子(にしだ・よしこ) 1965年生まれ。英米文学翻訳家。訳書に「わたしはマララ」「赤毛のアン」「小公女セドリック」「新訳 オズの魔法使い」「花言葉をさがして」など。
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