アメリカでは、感謝祭の後に銃を買うことが、いまや祝日の慣例のようなものになりつつある。
11月29日付けのCNNの報道によると、2014年の「ブラックフライデー」(感謝祭翌日の金曜日。クリスマス商戦の初日とされ、伝統的に年間で最も多くの買い物が行われる。今年は11月28日)にアメリカ連邦捜査局(FBI)が行った銃器販売時の身元調査の件数は、過去のどのブラックフライデーよりも多かった。
FBIの「全国的な即時犯歴照会システム」(NICS)が11月28日金曜日に行った身元調査の数は、合計で17万5754件に達した。CNNによれば、これは普段の1日の取り扱い件数のおよそ3倍だという。
これは、FBIが1日に扱った件数として、史上2番目の記録だった。これまでの最高記録は、サンディフック小学校銃乱射事件のちょうど1週間後にあたる2012年12月21日(17万7170件)だ。
FBIが過去2年間(2012~13年)に受け付けた身元調査の件数は、いずれもブラックフライデーに、その年の最高を記録している。2012年のブラックフライデーには、やはり通年平均の3倍近い15万4873件もの照会が殺到し、NICSのコールセンターの一部が機能停止に陥ったほどだ。
ブラックフライデーの照会件数の増加は、FBIにとって頭の痛い問題のひとつになっている。法の規定により、NICSは3営業日以内に照会に回答しなければならず、期限をすぎると、その顧客に銃器を売るかどうかは販売店の判断に任される。
このため、FBIは今年、金曜日のうちにできるだけ多くの調査を終わらせようと、およそ600人の職員に長時間の残業を依頼した。FBIのスティーブン・フィッシャー報道官がCNNに語ったところでは、膨大な仕事量を処理するために、FBIは元職員の一部にも応援を求めたという。
「ワシントン・ポスト」のフィリップ・バンプ記者が指摘しているように、身元調査の件数は「概算的な銃の販売総数の不完全な目安」でしかない。1人の人物が1件の身元調査で複数の銃器を買う可能性があるし、さらに、上記の「3日間ルール」により、結果として調査を受けずに銃を買えてしまう人もいるからだ。
とはいえ、要請された身元調査の件数は、銃器所持の一般的傾向を知るためのひとつの指標になりうる。そして、FBIのウェブサイトによると、NICSが稼働し始めた1998年以降で調査件数が多かった週の上位10位は、すべてここ最近の2年間で占められている。
なお、アメリカでは2013年の1年間で、1万2000人以上が銃暴力により死亡している。1日あたり30人以上だ。また、アメリカの学校では、授業が行われている期間で見ると、週1回以上の頻度で銃発砲事件が起きているとも報道されている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:水書健司/ガリレオ]
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