学校で破壊的な行動をすれば、ほぼ間違いなく、先生に呼び出されて生活指導を受ける羽目になる。けれども、実社会で正しい種類の破壊的行動を起こせば、大きな名声を手に入れられるかもしれない。
では、正しい種類の破壊的行動とは何だろうか。それは「卓越した破壊者たち」に聞いてみればいい。
これから紹介するのは、2014年10月にロンドンで開催された「TEDxTeen 2014」でプレゼンテーションを行なった面々だ。社会の規範に挑み、型破りな行動を起こした若者たちをたたえるこのイベントには、ファッションモデルからロッククライマーまで幅広い分野にわたるプレゼンターが登場した。司会を務めたのは、ハフポストUKのブロガーでもある、スコットランド出身のR&Bシンガー、15歳のタリア・ストーム。
プレゼンテーションを行なったのは15名だが、その中でも特に心に残る言葉10選とその動画をご紹介しよう。
1.「自分の問題をよじ登ろう。失敗は、成功の大部分を占めている」
アシマ・シライシさんは13歳。6歳でロッククライミングを始め、その1年後にはプロレベルの大会に出場するまでの腕前となった。
2014年7月には、南アフリカにある「ゴールデン・シャドウ」という岩の登攀に成功し、最高難度である「ボルダーグレードV14」を制覇した世界で2人目の女性クライマーとなった。なお、女性として最高難度ボルダーグレードV14に世界で初めて成功したのは尾川智子さんで、2012年、34歳のときに、那須塩原市の「カタルシス」という岩で成功した。
2.「本来の自分になろう。美しさとは何かを、雑誌に追い求めず、自力で見つけ出そう」
シャンテル・ブラウン-ヤングさんは19歳。今はファッションモデルだが、幼いころには外見のことでいじめを受けてきた。それは、白斑という、肌の色素が抜けて白くなる皮膚疾患が原因だった。自分の個性を受け入れられるようになる中で、彼女は、「すべてものに美しさが宿っている」ことに気がついたという。
3.「普通になんて、なりたくなかった。最高にクールな義肢を持てて自分がどんなに誇らしく思っているか、みんなに知ってもらいたかった」
パトリック・ケインさんは1997年生まれの17歳。幼いころに髄膜炎菌敗血症にかかり、一命を取り留めたものの、右足のひざ下や左手の全指を失った。しかし2010年には、最先端のバイオニック義肢「I-Limb Pulse」を最年少で装着した。
2012年にはロンドン・オリンピックの聖火ランナーを務めたほか、ここ1年間は、彼の人生を変えたI-Limbを開発したスコットランドのタッチ・バイオニクス社のアンバサダーとして活動している(同社のバイオニック義肢のわかりやすいビデオはこちら)。
4.「誰もが、本当は混乱している……そして、誰もがそれを隠している。でも、私は隠さなかったし、今も隠していない」
ガビ・ホルツヴァルトさんは、クラシックの教育を受けたコンテンポラリー・バイオリニストだ。自身の音楽とキャリアに即興的な要素を取り入れ、自らビジネスを手がけながら、あらゆるプロジェクトに取り組んでいる。彼女は、自分が摂食障害であることを打ち明けて正直になることで、強さを見出したと話す。
5.「読みたい本が見つからなかったので、自分で書くことにした」
ベス・リークルズさんが、自身の処女作であるアダルトロマンス小説「The Kissing Booth」を書いたのは15歳の時だった。その小説を無料の電子書籍共有サイト「Wattpad」に投稿したところ、1900万人が読み、英ランダムハウス社との3冊の出版契約につながったという。
6.「従来の慣習に挑戦できるなら、どんな問題でも解決できる」
ジョシュ・ヴァルマンさんは、10歳でエンジニアリングの勉強を始め、15歳のときには、ロボット工学で世界的な大手企業数社を相手に意見交換をするようになっていた。19歳になった現在は、世界中の企業に工学的解決策を提供する「RPD International」の代表取締役だ。
7.「たった1日でも多くのことを学べる」
エリック・フィンマンさんは15歳の起業家で、「Botangle.com」の創業者だ。このプラットフォームは、学生が経験を通じて学ぶための支援を行なっており、有名企業での1日インターンシップなどを紹介している。
8.「メッセージを書き込む前にもういちど考えよう。人を傷つけてしまう前にもういちど考えよう」
トリシャ・プラブーさんは、ネットいじめ防止を目指す「Rethin(もういちど考えよう)」というプログラムを開発し、Googleが主催する学生向け科学コンテスト「Google Science Fair 2014」で、13歳から14歳グループのグローバル・ファイナリストの1人に選出された。
このプログラムは、ティーンエイジャーを対象に、人を侮辱するようなメッセージをネットに投稿する前に、もう一度考え直す機会を与えるものだ。また、プラブーさんは携帯電話の「ながら運転」で起こる認知力の乱れに関する調査も行っている。
9.「可能性を思い描こう」
ジェームズ・アンダーソンさんは17歳の起業家で、自身が立ち上げた組織「Thinkspace」を介して、若者を対象にコーディングの教育を行なう新しい方法を開発した。現在は、オンラインショッピングを変える新事業「Space Lounges」に取り組んでいる。
10.「私たちは、他人に心を開く前に、自分自身に心を開く必要があるのではないだろうか」
アンキット・シャーさんは、「Tea With Strangers(見知らぬ人とお茶を)」という活動の生みの親だ。これは、見知らぬ人同士の間で、意義ある交流を生み出そうとする活動だ。シャーさんはさらに、インドの生活水準向上を担う人たちを後押しする非営利団体「SEEKHO」にも協力している。
文末のスライドショーも、14歳で博士号をもち、量子力学を研究するジェイコブ・バーネットなどによる「TEDxTeen」の講演を紹介している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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