アメリカ・ミズーリ州ファーガソンの黒人少年射殺事件に絡んでアメリカ全土に拡大した抗議デモを、北朝鮮の朝鮮中央通信は11月26日、「アメリカ各地に人種差別反対デモ拡大」と報じた。
同通信は「激怒した群衆は24日と25日に街頭にあふれ出し『銃を撃つな』などのスローガンを叫びながら当局の不当な措置に強力に抗議した」と伝え、「アメリカの世論は8月の黒人青年殺害事件の発生後、最悪のデモが発生しているとして、抗議デモの盛り上がりに伴い社会の混乱がさらに激化するだろうと憂慮した」と報じた。
人権問題を討議する国連総会第3委員会は11月18日、拉致問題や国内の政治犯強制収容所など、北朝鮮の人権侵害を非難し、責任者の国際刑事裁判所(ICC)起訴を検討するよう求める決議を採択した。
決議採択を主導したアメリカが人種問題を抱えていることを強調し「アメリカに人権を言う資格はない」と主張する狙いとみられる。
朝鮮中央通信は「人権蹂躙の元凶はアメリカ」(2009年3月11日付)など、以前からアメリカの人種問題を批判する記事を繰り返し配信している。2014年10月14日付でも、以下のように論評している。
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昔から、腹黒い者こそ絹の衣をまとうと言われる。
最近、「人権擁護者」の仮面をかぶってさまざまな人権蹂躙行為を働いているアメリカの犯罪的正体がまたもや全世界にさらけ出される事件が発生した。
(中略)問題は、相次ぐ黒人に対するこのように野蛮な殺人行為と差別行為が、行政府によって黙認、庇護されていることである。
去る8月、ミズーリ州ファーガソン市で起きた白人警察による黒人青年殺害事件の時も、アメリカは殺人者を厳罰に処し、人種差別的な殺人行為が発生しないように対策を講じたのではなく、デモ参加者に対する暴力的な鎮圧で応えた。
諸般の事実は、アメリカが唱える「万民平等」とはうわべだけで、彼らが口癖のように唱える「人権擁護」とは自分らの醜悪な正体を隠すための免罪符に過ぎないということをはっきり示している。
アメリカは、誰かの「人権問題」を論じる前に、自分の頭の上のハエから追い払うのが正しい行動であると肝に銘ずるべきだ。
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