J・ラセター氏とディズニー・アニメ、創作の秘密と波乱万丈の半生
『アナと雪の女王』を生み出したディズニー・アニメーション・スタジオ。90年の歴史を持ち、数々の名作アニメーションを生み出してきた。世界中で愛される作品は、どのようにして生み出されるのか。これまで秘密のベールに包まれてきた制作現場に長期密着取材したNHKの番組『魔法の映画はこうして生まれる ~ジョン・ラセターとディズニー・アニメーション~』が、あす24日(後7:30~8:45 総合)、放送される。
同スタジオのすべてのクリエイティブを統括するのが、制作総指揮のジョン・ラセター氏だ。かつて、デジタル・スタジオ「ピサー」を率い、斬新な3DCGを駆使して『トイ・ストーリー』『カーズ』『ファインディング・ニモ』などの世界的な超ヒット作を連発したCGアニメーションの世界的な巨匠。ラセター氏は、今、ディズニーとピクサーという世界最高峰の2つのスタジオのトップとして、映画界の注目を一身に集めている。
番組では、『アナ雪』に続く最新作『ベイマックス』(12月20日公開)の作品づくりを追いながら、創作の秘密に迫る。国境を越え、子どもたちを虜にする秘密はどこにあるのか。スタッフを集め、映画のストーリーについて議論し、脚本をブラッシュアップさせていく、会議にカメラが入るのも初めてだ。
さらに、これまであまり知られていないラセター氏自身の波乱万丈の半生も紹介。若き日に、ディズニーのアニメーターを解雇され、その後、ピクサーで手掛けたCGアニメで大成功を収めると、当時、不振を極めていたディズニーに呼び戻され、スタジオを建て直していく。人気映画の名シーンもたっぷり盛り込み、世界が注目するラセター・ワールドを楽しく深く、掘り下げていく。
また、ラセター氏は『となりのトトロ』(1988年)を制作中のスタジオジブリを初訪問以降、「最も大きな影響を与えてくれた一人。並外れた想像力と創作力の持ち主」と宮崎駿監督を尊敬し、親交を続けている。番組では2人が2年前に京都を訪ねた時の映像も紹介。北山の山間を散策しながら、ラセター氏が「(『となりのトトロ』に出てくる)猫バスの停留所はどこにあるんですか?」と尋ねるなど、お茶目な一面も見せる。
ナレーションは、ジブリ作品『思い出のマーニー』(2014年)でヒロインの一人を演じた女優の有村架純が担当する。
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