11月21日、衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。各政党では、候補者を「勝てる候補」に差し替えたり、選挙協力の調整を加速したりと、最終調整を行っている。
一方、政党要件を満たさない政治団体も、衆院選に向けて動いている。「新党ひとりひとり」代表の山本太郎・参院議員は、自身は今回の衆院選には出馬はしないとしながらも、自分の名前の知名度を活かして選挙戦ができないかと模索している。
今回の衆院選は、小選挙区と比例代表の2票を投じることになる。有権者は、小選挙区の投票用紙には「候補者名」を、比例代表の投票用紙には「政党名」を書いて投票する。
小選挙区で勝つには、候補者本人の知名度が重要だ。いくら「山本太郎」の名前が知られていても、候補者本人の名前を書いてもらわなければ有効票にならない。
一方の比例代表では、政党名を書いてもらえばいい。山本氏が目をつけたのはここだ。比例代表に、例えば「山本太郎となかまたち」など、「山本太郎」という言葉を含めた政治団体で出馬する。そうすれば、比例代表の投票用紙に政治団体の略称「山本太郎」と書かれた投票用紙は、有効票になることがわかったと、山本氏は自身のブログで明かした。
ところが、自身の政治団体だけでこのアイデアを実現するには「供託金」という厳しい壁があった。比例代表の全ブロックに候補者を立てるには2億5200万円、東京ブロックだけでも2400万円の供託金が必要だ。
そこで山本氏は、供託金のハードルを乗り越える策として、政党に対して連携も持ちかけた。「○ ○党・山本太郎となかまたち、で名簿を作り、投票用紙には、○○党、山本太郎、どちらかの名称を記入すれば、そのグループに票が入る」というアイデアである。政党に資金面で協力してもらう代わりに「山本太郎」の全国的な知名度を利用してもらい、当選を狙うという考えだった。
公選法では比例代表に候補者を立てることができるのは「政党等」とされており、政党ではなくても、選挙運動期間中に特定の政治活動を行う政治団体を設けて、選挙に臨むことができる。これまでにも、1983年の参院選で「新自由クラブ・民主連合」が利用するなど、実績もあった。
今のところ、打診した政党からは「組織はすぐには動けない」という理由から、断られているという。山本太郎事務所の担当者はハフポスト日本版の取材に対し、「ブログにもある通り、政党との連携や供託金の出資などがあれば、(比例代表出馬も)やるかもしれません」と述べた。
なお、山本氏は今回の選挙では、自民党候補者の対向候補者のところに応援演説をしに行く予定だという。山本氏は、「日本崩壊、本気のチェックメイトを与党にさせる訳にはいきません」とブログに書き込んだ。
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