しばらく前から、音楽配信サービスやオンラインダウンロード、物理メディアの購入、そしてファイル共有にまつわる議論が盛んだが、その一方で、アナログレコードが猛烈な巻き返しを見せている。
一時は絶滅も間近と思われていたアメリカでのアナログレコードの販売量は、2005年から2013年までの8年間で6倍以上に増えた。統計ポータルサイト「Statista」がまとめたデータによると、2005年と2006年には100万枚に満たなかったLPレコードアルバムの販売が、2012年には460万枚、2013年には610万枚にまで跳ね上がっている。
同記事によると、イギリスやドイツでも、アナログレコードの販売は、1990年代後半以降では最高を記録している。2013年の世界全体での売り上げは2億1800万ドルに達した。
次のグラフはStatistaが作成したもので、1997年から2013年までの全世界でのアナログレコードの売り上げを示している。
理由として考えられるのは、オーディオファンによる愛好はもちろんだが、消費者がストリーミングサービスによる「音楽の商品化」に拒否反応を起こしていることや、LPレコードの多くにはデジタルダウンロードも付属するという認識が広まったことも挙げられそうだ。
理由はともあれ、いまやアナログレコードは世界的に「赤丸急上昇中」であり、残りわずかになった2014年から2015年にかけても、急激な伸びが続くのは間違いなさそうだ。
※テネシー州ナッシュヴィルにある米国最大のレコード盤製造会社United Record Pressing社は2014年5月、需要の増大を受けて、2つ目の工場を導入すると報道された。一方、日本では、従来から音楽売り上げに占めるCDの割合が他国と比べて高いこともあり、アナログレコードの数量・金額が増えているという現象は特に見られない(PDF)。なお、日本では東洋化成に「アジアで唯一のレコード工場」があり、新譜での限定生産、テスト・レコードの販売や、過去の名盤の再生産等が行われている。
この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。
[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]
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