11月2日、ローレーン・ヒルは夢を叶えた。ローレーンはアメリカ、オハイオ州の大学に通う19歳。手術ができない脳腫瘍を患い、余命はあと数か月だ。だが、彼女は所属する大学の、バスケットボールの試合に出た。1万人を超える観客の前で、2本のレイアップシュートを決め、66対55の勝利に貢献した。健康状態を考えれば、彼女自身も、チームメイトも、そして敵チームの選手でさえも、神経質にならざるを得ない状況だったが、それでもローリーンはプレーを楽しんだ。そして、二度と忘れられない瞬間になった。
「素晴らしかった! 自分の足でコートを踏みしめ、コートの響きを自らの耳で聞いて……大学の試合に出ることは夢だったんです。自分自身のためにやっているわけじゃないんです。私に生きる力を与えてくれる、みんなのためにやっているんです」とローレーンは言う。
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確かに彼女は、支えられている。チームメイトたちは、22番の背番号がついたユニフォームをローリーンに送った。それだけではない。みんなのメッセージが入ったポスターやら寄せ書きも。「ローリーン 22」と書かれたものもあった。
2日、ローリーンは22番のユニフォームに袖を通し、そしてシュートを決めた。その瞬間だけかもしれないが、彼女は病人ではなかった。ひとりの、バスケットボールプレーヤーだった。
ローリンは言う。「バスケットが大好き。本当に今日は幸せで……すごくいい日だった。すごく」。
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