アメリカ・オレゴン州在住の女性、ブリタニー・メイナードさんは、末期の脳腫瘍という診断を受け、 尊厳死の選択という患者の権利を積極的に提唱してきた。地元紙「オレゴニアン」によると、ブリタニーさんは11月1日、自宅で医師から処方された薬を服用し、家族に見守られながら29歳で死去した。
「愛する友人たち、そして家族の皆さん、さようなら」。雑誌「ピープル」によると、彼女はフェイスブックにこのように投稿している。
「本日は、末期の脳腫瘍を患う私が、尊厳をもって死ぬために選んだ日です。世界は美しいところです。旅が私の最高の師であり、また身近な友人や家族は多くのものを私に捧げてくれました。さようなら、世界のみなさん。良いエネルギーを広げていってください。次につなげていきましょう!」
■ 「尊厳死」の直前には揺れ動く思いを吐露
2014年前半、ブリタニーさんは神経膠芽腫という悪性の脳腫瘍の診断を受け、余命わずか6か月であるという宣告を受けた。疾患の最終段階に体がどのような影響を受けるかを知らされ、彼女は自身の死について自ら判断を下すことに決めた。
ブリタニーさんと、その家族である夫のダン・ディアスさん、そして母親のデビー・ジグラーさんはオレゴン州へと移住した。オレゴン州では尊厳死法が成立しており、何百もの末期症状患者が医師に処方された薬剤で自ら命を絶っている。ブリタニーさんは、10月下旬の夫の誕生日後の11月1日を、自らの命を絶つ日として選んだ。
それ以来、ブリタニーさんは尊厳死法、そして彼女と同様の立場にいる患者の擁護者として、尊厳死支援団体「コンパッション・アンド・チョイセズ (Compassion and Choices) 」で活動してきた。
「私には自殺願望があるわけではありません」と彼女はCNN.comのブログ投稿サイトに書いている。「私は死にたくはありません。ですが、わたしはもうすぐ死にます。だとしたら、自分の思う通りに死にたいのです」。
10月29日、ブリタニーさんは新しい動画を公表したが、それは命を絶つ日を延期するかもしれないと思わせる内容であった。
「11月2日が来て私が亡くなっていたら、それでも家族が私のこと、そして私の選択した道を誇らしく思うことを願います。11月2日がきて私がまだ生きていたら、それは互いに対する愛情のために私たちはまだ前進しているということで、決定は後になって下されるでしょう」。
ブリタニーさんは最近になって、バケツリスト(生きているうちにやっておきたいリスト)の最後の項目を成し遂げた。それはグランドキャニオンに旅行する、というものであった。病気になる前のメイナードさんは、活動的な旅行家、そして冒険家であった。南西アジアに1年住んだ経験がある。また、キリマンジャロにも一度登っている。
以下の動画で、ブリタニーさんのストーリーを詳しく見ることができる。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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