イギリスのヴァージン・グループ傘下の民間宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」社の宇宙旅客機「スペースシップ・ツー」が試験飛行中に墜落し、飛行士2人が死傷した事故を受けて、創設者のリチャード・ブランソン氏は11月1日、カリフォルニアで行った記者会見で調査の徹底と宇宙旅行事業の継続を表明した。
ブランソン氏は会見で事故の原因を追及することを約束し、そして、「夢が生き続けるのを見たい」とも語った。
ブランソン氏は「我々が数年前に始めたことを、最後までやり遂げられたらと思います。私たちの宇宙飛行士もこのプロジェクトをやり遂げて、宇宙に行きたいと思っています」。
「スペースシップ・ツー」は10月31日の試験飛行中、輸送機「ホワイトナイト2」から切り離された直後に墜落し、1名のパイロットが重傷を負い、39才のマイケル・アリスバーリー飛行士が死亡した。
国家運輸安全委員会は事故の原因追及のための調査を開始した。2004年に創設されたヴァージン・ギャラクティックはこれまで、観光客や科学者を対象に弾道飛行(大砲の弾のように高度100キロの高さまで弧を描いて飛行し、数分間の無重力状態を体験すること)のサービスを提供してきた。
この事故は、ブランソン氏と、電気自動車会社「テスラ・モーターズ」と宇宙輸送会社「SpaceX」の創設者イーロン・マスク氏によって牽引されてきた、始まったばかりの宇宙旅行産業が直面する危機を強調する結果となった。
28日には無人飛行船アンタレス・ロケットが、NASAのバージニア州ワロップス島から発射された6秒後に爆発した。このロケットは国際宇宙ステーションへ物資を運搬する予定だった。
この爆発でけが人はいなかったものの、このロケットを開発した会社「オービタル・サイエンシズ」の株価は直後に急落した。同社はどこにトラブルが生じたのか調査をすることを約束した。
ジョージ・ワシントン大学の元宇宙政策ディレクター、ジョン・ログズドン氏はAP通信に「これまで多くの人々が、有人飛行のテクノロジーは安全に確立されたものだと信じて来たのですから、この事故は近いうちに多くの人々が宇宙空間の周辺へ観光旅行をすることができるようになるという考えを、遅らせる大きな原因になります」と述べた。
ブランソン氏は1日の会見で落ち込んだ様子を見せ、記者たちに対し、ヴァージン・グループの宇宙旅行事業部であるヴァージン・ギャラクティックは「やみくもに突き進むことはない」と述べた。
「私たちのテストパイロットたちに対して、トラブルを引き起こしたものが何なのかを解明する義務があります。もしこの事故を乗り越えることができれば、夢が生き続けるのを見たいと思っています」。
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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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