映画やSF小説に登場した「空飛ぶ自動車」が、現実に市販される日が近づいている。スロバキアのエアロモービル社が、空飛ぶ自動車の最新試作機「エアロモービル 3.0」を10月29日に発表した。青と白に彩られたイルカのような優美な機体が空中へ飛び立つ動画も公開されている。
「エアロモービル 3.0」は全長6mで、翼を折りたたむことで地上走行時の全幅は1.6m。駐車場に停めることも可能だ。自動車用のレギュラーガソリンを使った2人乗り。鋼鉄のフレームをカーボン製のカバーで覆っているため、重量はわずか450kg。飛行時の最高時速は200km、航続距離は約700kmに伸びたという。東京から岡山まで一気に飛べる計算だ。
開発したのは、BMWやフォルクスワーゲンで自動車デザイナーをしてきたステファン・クラインさん。20年間にわたって「空飛ぶ自動車」の開発を進めてきたという。ロイターに対して、彼は「われわれの楽観的な計画では2016─17年に最初の製品を顧客に届けられるが、まだどうなるか保証はできない。試作機にはテストに次ぐテストが控えているからだ」と語っている。
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空を利用して交通渋滞を避けることができる夢の「空飛ぶ自動車」だが、規制基準を満たして飛行認可を受けたとしても、まだ課題は残されている。「エアロモービル 3.0」の離陸には200mの距離が必要だが、それを満たすような滑走路が都市部に見当たらないからだ。現状では公道から飛び立つことはできず、空港を利用することになりそうだ。
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