[サンパウロ/ブラジリア 26日 ロイター] - ブラジルで26日行われた大統領選決選投票は、現職のジルマ・ルセフ大統領がブラジル社会民主党(PSDB)のアエシオ・ネベス氏を僅差で破り、再選された。ルセフ氏の得票率は51.6%。ネベス氏は48.4%だった。
ルセフ氏は支持者を前に演説し、ブラジルの将来のために国民全てが団結することを呼びかけた。さらに「今まで以上に良い大統領を目指す」と表明した。
ただ、経済に関しては、成長の押し上げを目指すと述べるにとどめ、市場の不評を買っている経済政策を見直す可能性には言及しなかった。
ネベス氏はルセフ氏に電話し、2期目の成功を願っていると伝えたという。支持者を前に「優先課題はブラジルの結束だ」と演説した。
ルセフ氏の勝利で、労働党政権があと4年続くことになる。労働党は2003年以降、4000万人の貧困層を支援し、失業率を過去最低に引き下げ、飢餓への対策を打ち出すなど、成果を上げた。ただ、最近は成長率が平均で2%以下に落ち込み、景気低迷が続いていた。
そうしたなか、ネベス氏は企業をより優遇する政策を掲げ、政府の汚職疑惑事件や高インフレなどに不満を持つ国民の支持を拡大した。
ルセフ氏は、国民の約40%を占める貧困層を中心に支持を集め、勝利につながった。
■前途多難
ルセフ大統領の2期目は新年にスタートするが、蜜月を楽しむどころではない。選挙戦後半にルセフ氏の支持低下につながった国営石油ペトロブラス
ブラジル経済は今年前半、リセッション(景気後退)に突入。格付け会社各社は、ルセフ氏が大胆な歳出カットを通じた財政赤字の縮小を実現できなければ、ソブリン債格下げもありうる、と警告している。
ルセフ氏の側近は、同氏が市場の信認を取り戻すため、2期目の財務相には現実主義的な人物を起用すると述べている。ただ、多くの投資家は2期目もルセフ氏が牛耳る状況に変わりはないとみている。
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