2014年のノーベル文学賞の受賞者が10月9日、発表される。「ノルウェイの森」「1Q84」などで知られる村上春樹氏(65)が、イギリスなどの複数の大手ブックメーカー(賭け屋)による予想で1番人気となるなど、今年も受賞の「本命」とされている。不安材料は「受賞者の地域バランス」という。産経ニュースなどが報じた。
世界最大規模のブックメーカー(賭け屋)である英ラドブロークスの賭け率では、村上氏は5日現在で1位。不安材料は受賞者の地域バランスだ。一昨年に日本と同じ東アジアから中国の莫言(ばくげん)氏が受賞したばかりで、仮に村上氏が受賞するとしても「もっと先になる」との見方は少なくない。このためケニアのグギ・ワ・ジオンゴ氏(76)やアルジェリア出身のアシア・ジェバール氏(78)といった植民地支配との闘いを描くアフリカ系作家らも有力視されている。
(ノーベル文学賞「ハルキ」は今年も本命、5日現在で1位 アフリカ系作家も有力 - 産経ニュース 2014/10/06 13:59)
村上氏は、近年はノーベル賞に最も近いともいわれるチェコのフランツ・カフカ賞など世界的な文学賞を受賞。10月3日には、ドイツの有力紙「ウェルト」が、毎年、世界の有力な作家に贈っている「ウェルト文学賞」に、作家の村上氏を選出したと発表した。
授賞理由として、選考委員会は「村上氏は最も重要な現代日本の作家」であり、「欧米近代という巨大な伝統をポップカルチャーなどの影響と結び付けている」と評価。「日本の大都市生活者の意識を超感覚的な世界に自然に導く魔術的現実主義とも言うべき独特の作風を打ち立てた」と述べている。
(時事ドットコム:村上春樹氏に独「ウェルト賞」 2014/10/04 20:52)
文学賞の発表は、9日午後8時(スウェーデン同日午後1時)。村上氏が受賞すれば、日本人で3人目、戦後生まれでは初となる。
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