STAP細胞の論文不正疑惑が取りざたされていた小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーについて、出身の早稲田大学は10月7日、小保方氏に2011年に授与した博士号を取り消すと発表した。決定は10月6日付。
ただし、先進理工学研究科の「指導・審査に重大な不備・欠陥があった」として、約1年の猶予期間中に博士論文が訂正されれば、博士号は取り消さないとした。
誤って提出された学位論文に対して、博士学位が授与されたことについては、先進理工学研究科における指導・審査過程に重大な不備・欠陥があったものと認められることから、概ね1年間程度の猶予期間を設けて、博士論文指導と研究倫理の再教育を行い、論文を訂正させ、これが適切に履行された場合には学位が維持できるものとした。なお、これが適切に履行できないときは、当然に学位は取り消される。
(小保方さんの博士号「学位を取り消す」早稲田大学が猶予付きの決定・配布資料(全文)|弁護士ドットコムニュースより 2014/10/07 16:38)
調査委員会の報告と違った結論になったことについて、早稲田大学は以下のように説明した。
早稲田大学は、調査報告書の事案認定を踏まえながらも、小保方氏が公聴会による実質的な審査の対象となった論文とは大きく異なる博士学位論文を提出したことは、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったものであり、これによって最終的な合否判定が行われたことは「不正の方法により学位の授与を受けた事実」に該当すると認定し、博士学位の取り消しを決定した。
(小保方さんの博士号「学位を取り消す」早稲田大学が猶予付きの決定・配布資料(全文)|弁護士ドットコムニュースより 2014/10/07 16:38)
これを受け、博士論文審査の主査だった常田聡教授を停職1カ月、副査の武岡真司教授を訓戒とする処分も発表した。鎌田薫総長は役職手当の20%、5カ月分を自主返上する。
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