ユーモアで笑わせ、考えさせた研究や業績に贈る「イグ・ノーベル賞」の2014年授賞式が9月18日、アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれ、「バナナの皮を踏むとなぜ滑りやすいのか」を実験で証明した北里大の馬渕清資教授(63)ら4人を物理学賞に選んだ。時事ドットコムなどが報じた。
日本人のイグ・ノーベル賞受賞は8年連続。馬渕教授らは、バナナの皮の内側にたくさんあるゲル状物質を含んだカプセルのような極小組織が、靴で踏まれた圧力でつぶれ、にじみ出た液体が潤滑効果を高めることを突き止めた。数値が低いほど滑りやすいことを示す摩擦係数は、内側を下にした皮の上からリノリウムの床材を踏んだ場合、床材を直接踏んだ時の6分の1しかなかった。
馬渕教授は医療工学専門で、人工関節の潤滑などを研究。関節の軟骨とバナナの皮の摩擦低減の仕組みには共通点があると見ている。取材に対し「バナナの皮が滑りやすいのは自明のことだが、それを科学的に立証できた」と話した。
(時事ドットコム「バナナの皮はなぜ滑る?解明=北里大チームにイグ・ノーベル賞-米」より 2014/09/19 09:03)
今年はこのほか、シロクマに「変装」した人間をトナカイが見た時の反応を調べたノルウェー人チームに北極科学賞▽犬が排泄する際に南北方向に体を向ける傾向を立証したチェコとドイツの研究者に生物学賞▽ひどい絵を見たときの不快さの研究に美術学賞、など計10件の研究・業績にそれぞれ贈られた。
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