イギリスからの独立を問うスコットランドの住民投票が、日本時間9月18日午後3時から始まる。有権者は約428万人。投票は、独立に賛成、反対の二択で行われるが、直近の世論調査では拮抗した結果となっている。19日午後に、大勢が判明する見込みだ。
直前の世論調査では、独立に賛成が48%、反対が52%と反対がややリードしていますが、その差は僅かで、賛成派・反対派の双方は直前まで運動を繰り広げてきました。
このうち、独立賛成派の運動を主導してきたスコットランド民族党のサモンド党首は、支持者に対して、「この住民投票は人生に一度のものであり、このチャンスをつかみ取らなければならない」と述べて支持を訴えました。
これに対して、反対派のブラウン前首相は集会で、「われわれがこれまで一緒に作り上げてきたこの国を永遠に分裂させてしまってはならない」と述べて反対を呼びかけました。
(NHKニュース「スコットランド きょう住民投票」より 2014/09/18)
歴史的に攻防を続けた両国だが、イギリスが1707年に統一。1960年代に北海油田が開発されると、その利益をイギリスと分け合わねばならぬため、独立の機運が高まり、1997年に議会と自治政府が設立された。2011年の選挙では独立派のスコットランド民族党が過半数を獲得。住民投票の準備を進めてきた。
国内の反対派は、イギリスから離れることによる経済力や影響力の低下を懸念する意見が多い。EUのバローゾ欧州委員長は「独立した場合、EUへの加盟は難しい」としているほか、イギリス政府は、スコットランドが独立した場合にポンドの使用をイギリスが認めない、としていることなど、独立後の課題は山積している。
イギリス側も、北海油田を抱えるスコットランドに独立されるのは痛手。同じイギリスの北アイルランドやウェールズに飛び火する可能性もある。
イギリスのキャメロン首相は15日、スコットランドで演説し、「私のことが嫌いでも、私は永遠に首相ではない。現政権が嫌いでも、永遠に続かない。しかし、あなた方がイギリスから去ったら、それは永遠に続くことになるのです」と反対票を投じるよう住民に訴えた。
独立か。それともイギリスにとどまるのか。1707年の統一以来の歴史に、新たな1ページが刻まれる。