イスラム国の過激思想を教育される子供たち「首を切り落とせ」

ロンドンでは、10歳未満の子どもたちが「若きジハード主義者としての訓練」を受けている―ロンドンの治安維持を担当するスティーヴン・グリーンハル副市長は、同市が直面する深刻な状況について厳しい警告を発した。
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ロンドンでは、10歳未満の子どもたちが「若きジハード主義者としての訓練」を受けている――ロンドンの治安維持を担当するスティーヴン・グリーンハル副市長は、同市が直面する深刻な状況について厳しい警告を発した。

グリーンハル副市長は「イヴニング・スタンダード」紙の取材に対して、ボリス・ジョンソン市長も自分も、小学生たちが「若きジハード主義者」の急進派に育つようプロパガンダにさらされていることや、家族によって「過激派イデオロギー」の教育が行われている事実を目にしていると語った

グリーンハル副市長がこう警告したのは、9月12日にシティ・ホールで開催されたテロ対策会議に先駆けてのことだ。同会議では、イギリスに住む過激派思想を持つ成人が青少年を対象に行っている「思想の急進化教育」を防止するための政策などが話し合われた模様だ。

ロンドンのボリス・ジョンソン市長(右)とスティーブン・グリーンハル副市長

オーストリアでも気がかりな事件が起きている。同国内務省のアレキサンダー・マラコヴィッツ報道官は9月11日、16歳と14歳の少女(氏名は公表されていない)がイスラム国(旧称ISIS)に参加するため同国を出国しようとしていたところを阻止したと明らかにした

この2人の少女が出国差し止めを受けたのは、同行する予定だったもう1人の少女の存在があったためだ。3人目の少女の母親は、娘の荷物が多すぎることに疑いを持ったのだという。

この少女らが後を追おうとしていたと見られるのが、今年4月にウィーンの自宅を出たまま行方不明になっているサムラ・ケズィノヴィッチとサビーナ・セリモヴィッチだ(ボスニア移民で、当時それぞれ16歳と15歳)。

2人は失踪後、カラシニコフ銃を手に、武装した男たちに囲まれている姿がソーシャルメディアに投稿されている。

武装した男たちと写真に写るサビーナ・セリモヴィッチ

サムラ・ケズィノヴィッチとサビーナ・セリモヴィッチがソーシャルメディアに投稿した写真

サムラとサビーナの2人については、国際刑事警察機構(インターポール)が消息を追っているものの、いまだに所在はつかめていない。彼女たちが、今回出国差し止めを受けた少女たちと連絡を取っていたかどうかも不明だ。

4月以降行方不明になっている2人の少女のプロフィールを掲載したインターポールのサイト

サムラとサビーナの級友のによれば、2人は地元のモスクに出かけるようになった後、急進的な考えを持つようになったという。

2人が通っていた学校のペーター・スラナー校長は、「エキスプレス」紙の取材に対してこう答えている。「1年前であれば、2人はごく普通の10代の少女だと言えたでしょう。しかしその後、年長のサムラがイスラムのヘッドスカーフを巻いた自分の写真を同級生に送るようになり、自分と同じように(イスラム教に)改宗するよう周囲を説得するようになりました」

「机や壁に「アルカイダが大好き」といたずら書きされる事件も起きました」

「対応せざるをえなくなったのは、9.11はアメリカの責任だと2人が言い始めた時です」

オーストリアのマラコヴィッツ報道官によれば、女性12人を含む142人のオーストリア人が現在、シリアに滞在中とみられている。また、8月中旬以降、イスラム過激派に参加しようとした疑いで、オーストリア国内で10人が逮捕されたという

影響を受けているのは、イギリスやオーストリアに住む少年少女だけではない。ぞっとするような写真は、オーストラリア人テロリストのハレド・シャルーフがツイッターに投稿したもので、7歳の息子が生首を手にしているところだという。撮影地はシリアのラッカで、シャルーフはこの写真を8月8日にツイッターに投稿した。写真には、「これが私の息子だ」というキャプションがついている。

次の写真も衝撃的だ。イスラム国の黒旗の上に赤ちゃんが寝かされ、その横に銃や手榴弾が並べられている。こちらもインターネットに投稿された。

投稿したのは、イラクならびにシリアで戦闘を繰り広げている過激派だと見られる。子どもがテロリストの格好をした写真はこれまでも数多く公表されているが、下の写真が最も新しい。

同じ過激派が投稿したと思われるこちらの写真では、お座りした赤ちゃんが、自分の身体より大きいカラシニコフ銃を抱えている。

また、最近見つかったのが下の不気味な写真だ。幼い子どもが「ジハード戦士ジョン」のまねごとをしている。「ジハード戦士ジョン」とは、アメリカ人捕虜のジェームズ・フォーリー氏とステーヴン・ソトロフ氏の首を切り落としたとされる、イギリス出身のイスラム国戦士(日本語版記事)のことだ。

黒旗の前に立った少年は、ナイフを手にし、マスクをかぶっている。オレンジ色のつなぎを着た人形の首を切り落として、フォーリー氏の殺害を「再現」しようとしているようだ。

上の少年の写真は、不穏なメッセージとともに投稿されていた。「首を切り落とせ、と子供に教えろ。明日には腐った生首がごろごろしているだろう」

下のスライドショーでは、イギリス出身でイスラム国に参加した少女たち(日本語版記事)を紹介している。

[Charlotte Meredith(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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