イギリスからの独立の賛否を問うスコットランドの住民投票が9月18日に迫るなか、イギリスのサンデー・タイムズ紙は9月6日、独立賛成派が51%となり、反対派の49%を僅差で上回ったとする最新の世論調査を発表した。同紙によると、賛成派がリードするのは初めて。47NEWSなどが報じた。
サンデー・タイムズによると、約1カ月前には独立反対派が賛成派に20ポイント以上の差をつけていたが、賛成派は投票直前になり急伸。今回の調査結果も独立派の支持基盤拡大を裏付けた。
調査は同紙が調査機関ユーガブに委託したもので、今月2日発表の調査結果に比べて、賛成派は4ポイント増えた。
(47NEWS「独立賛成派が初のリード、英国 スコットランド世論調査」より 2014/09/07 10:19)
スコットランドはもともと独立王国だったが、1707年にイングランドに事実上併合され、イギリス(連合王国)の一部となった。その後、独立を目指す背景には、1960年代に発見された北海油田の存在があると見られている。欧州最大の埋蔵量と言われる北海油田を支配下に置くことで、独立すれば1人当たりの所得が年1000ポンド(約17万円)増えるとの主張もあるためだ。
しかし、イギリス側から見ると、スコットランドに独立されるとアイルランドやウェールズなど、スコットランドと同様にイギリスを構成する地域にも同様の動きが飛び火する可能性もあり、大きな痛手となる。そのため、イギリスのキャメロン首相は独立論を押さえ込むのに必死となっている。
これまでの世論調査では、2014年8月初旬には独立反対派が61%と、賛成派の39%を22ポイント引き離していた。しかし、8月下旬には賛成派が53%、反対派が47%と猛追して6ポイント差まで縮まり、さらに今回の調査では賛成派が反対派を逆転した。
スコットランド民族党の支持者は独立に賛成しているが、保守党支持者は反対。労働党支持者の動向が鍵を握ると見られている。
世論調査を請け負ったユーゴブのピーター・ケルナー社長は、賛成派が増加したポイントとして、労働党や女性、40歳以下の若手で賛成派が増えたことなどをあげている。
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