アメリカ軍の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる同県名護市で9月7日、任期満了に伴う市議選(定数27)が投開票され、移設に反対する稲嶺進市長を支える市長派が14議席を獲得し、過半数を維持した。反市長派は11名にとどまり、中立の公明は2議席を獲得した。
1月に行われた市長選に続いて、市議選でも改めて移設反対の民意が示された。11月に予定されている知事選の行方に影響を与えそうだ。朝日新聞デジタルなどが報じた。
改選前の議席数は市長派15、反市長派10、中立の公明2。今回は市長派、反市長派とも16人、公明2人、その他1人が立候補した。開票の結果、議席数は市長派14、反市長派11、公明2となった。(中略)
同市辺野古沿岸で移設に向けた海底ボーリング調査が8月に始まった直後の選挙だが、市民の意見が割れていることから移設問題への言及を避ける候補が多く、移設をめぐる論戦は低調だった。
(朝日新聞デジタル「辺野古移設反対の市長派が過半数維持 名護市議選」より 2014/09/08 01:26)
投票率は70.40%で、過去最低だった前回をさらに1.67ポイント下回った。
当選者の得票数を、市長派・反市長派・中立で見てみると、市長派が1万4532票で51.7%、反市長派が1万1296票で40.2%、中立が2297票で8.2%となった。基地移設に反対する、市長派と中立の得票数を足すと59.8%を占めた。
選挙戦は稲嶺市長の後援会が与党の市長派候補を全面バックアップした。稲嶺市長は8日未明、記者団に対し「現15議席を1つ減らしてしまったことは残念」としながらも、「政府に対して辺野古の海に新基地は造らせないということをこれからも信念を持って訴えていきたい」と語った。
辺野古の埋め立て工事には、「作業ヤード設置のための漁港使用許可」や「資材搬入のための道路使用許可」など、市の決定や許認可が必要なものがあり、市長の判断によっては計画の進展に関わってくるが、稲嶺市長や市議会は、今後も計画への抵抗を続けるとみられる。辺野古移設に反対している公明党についても稲嶺市長は「今後も協力をいただけるのではないかと思う」と述べた。
一方、反市長派の野党候補者はおよそ半数が基地を争点化せず、経済振興や雇用拡大などの浸透を訴えて戦った。琉球新報によると、反市長派は11月の沖縄知事選にも影響はないとの見方を示しているという。
現有議席は1議席増となったが議席逆転はならず、自民党名護市支部の末松文信支部長は「もう少し善戦するかと思ったが…」と悔しさをにじませた。米軍普天間飛行場の辺野古移設については「今選挙の議論ではなかった」とし、影響はないとの見方を示した。
(琉球新報『名護市議選 民意揺るがず、市長「信念持ち訴える」』より 2014/09/08)
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