NFLにドラフトで入ったプレーヤーとしては初めてゲイであることを公表したマイケル・サムは、間もなくNFLのチームに入るかもしれない。複数の報道によると、ダラス・カウボーイズがサムを練習生として契約するため、9月3日に身体検査を行う予定という。
はっきりさせておくと、ダラスはマイケル・サムを練習生として契約する意向で、アクティブ・ロースター(試合に出場可能な選手枠)としての契約ではない。まずやるべきことをやらなくてはいけない。水曜日に身体検査を行う。(スポーツ専門のケーブルテレビ局ESPNのアダム・シェフター記者)
報道によると、マイケル・サムは飛行機で今夜ダラスに入る。身体検査を受け、合格すれば練習生として加入することになる。(NFL公式サイトNFL.comのイアン・ラポポート記者)
サムはミズーリ大学出身でオールアメリカンに選抜されたディフェンスプレーヤー。2013年にはサウスイースタン・カンファレンス(SEC)の年間最優秀選手に選ばれた。ラムズとの契約後はプレシーズンでタックルを11、スクリメージライン(敵味方が対峙するライン)後方でのタックルを3つ決める活躍を見せた。アクティブ・ロースター入りも期待されたが、最終的にラムズの53人の一軍枠から漏れてしまった。また、ラムズの練習生10名にも選ばれなかった。ウェーバー公示(支配下選手の保有権を放棄しようとするとき、放棄に先立ち、他チームに譲渡を希望するか否かを公示すること)で他の31チームから引き取り手がなかったため、フリーエージェントになっていた。
マイケルはロースターから外れた直後、Twitterで自身の心境を綴っている。
人生で一番価値があることなんて、そんな簡単にはやって来ない。僕はいつも教訓にしている。旅はまだ続くんだ。
■「ハリーポッター」のダニエル・ラドクリフもマイケル・サムを擁護
マイケル・サムは初めてNFLで同性愛者であることを公開した選手であるが、思いもよらない人から支持されている。「ハリーポッター」シリーズに出演したダニエル・ラドクリフである。
「これはとってもすばらしいことだと思います。彼がNFLのチームをに加わるなんて、本当にすばらしい。一年で最も活躍したSECのディフェンス選手になったのに、指名順位が249位に下がってしまったなんてひどいことです。彼の競技への考え方や、ゲイを公表したことなどについて、人は言いたい放題言うことができます。しかし過去6年間に、SECのタイトルを獲得した選手が全体で16位以下にドラフトされたことは一度もなかったでしょう。彼が同性愛者だから、というのは悲しいことです。私は心から、彼はすばらしい選手だと思っています。インタビューの中で、マイケルは一度も自分を被害者かのように言うこともなく、他の選手よりも同情される存在だなどとアピールすることもありませんでした。そんな発言をする誘惑によく駆られなかったな、と思います」。
マイケルは2014年初め、同性愛者であることを公表した上でNFLにドラフトされた初めての選手として、歴史を塗り替えた人物である。マイケルはドラフト指名後、テレビの生中継でパートナーとキスをして、スポーツ界全体に衝撃を与えた。保守派からは、このように同性愛をあからさまに表現することに対して怒りをあらわにした。ダニエルはそういった騒動を笑い飛ばして、こう語る。
「私が一番気に入ったコメントは、『彼が同性愛者であることはかまわないけど、パートナーとキスするところを見たくはない』というものです。それなら結局は、同性愛者を気にしていることになりますよね。私は、マイケル・サムが世界中に対して同性愛者であることを公言したのは、ドラフトで指名されたときにカミングアウトするかどうか、というくだらない悩みを持たずに済むためでもあったのではないかと考えています。それはすばらしいことだと思いますよ。願わくは、マイケル・サムの行動が、彼に続くすべての選手に対して道を開くことになってほしい」。
ダニエルのコメントは、的を得ている。インタビュー全文(英文)はこちらから。
(h/t GLAAD)
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