9月3日、安倍首相は内閣改造に先立って自民党の役員人事を行った。党のナンバー2に当たる幹事長には、谷垣禎一法務相を起用した。政調会長には、当選3回の稲田朋美・行政改革担当相を抜擢。その一方で総務会長には、二階俊博・衆議院予算委員長、選対委員長には茂木敏充・経済産業大臣を充ててベテランによる手堅い布陣にした。
2015年秋の総裁選で安倍首相のライバルとなり得る石破茂幹事長は、閣内に取り込んだ。連立政権を組む公明党とのパイプが太い谷垣氏と二階氏を党幹部に据えることで、公明党との関係を重視するのが狙いだと、朝日新聞デジタルが報じている。
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首相は、来秋の総裁選で最大のライバルと目された石破茂幹事長を閣内に取り込んで動きを封じ、総裁まで務めた谷垣氏を格下の幹事長に迎えるというサプライズ人事で、党内基盤や公明党との関係強化を狙った。谷垣氏に加え、総務会長となる二階氏は、連立を組む公明党とのパイプが太い。
谷垣氏と山口那津男代表は民主党政権時代、野党党首として結束を保ち、今でも良好な関係にある。また、二階氏は自民党を離党後、新進党や保守党の結成に参加。その際に公明党との人脈を広めた。来春の統一地方選を前に、集団的自衛権の行使容認をめぐってぎくしゃくした両党関係を再構築するには、うってつけの人選でもある。
(朝日新聞デジタル「自民党人事に透ける首相の思惑 基盤強化・中国も意識か」より 2014/09/03 10:42)
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