シリアの一部を支配下に収めるイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)が、身体の切断、鞭打ち刑、公開処刑、そして見せしめの磔を定期的に行っているとする恐ろしい内容の報告書が、8月27日に公開された。これは、戦乱のシリアを3年にわたって調査してきた国連調査委員会が作成したものだ。
報告書によれば、「イスラム国の支配下にあるシリアの一部地域、特に同国の北部と北東部では、毎週金曜日が、公共の広場で処刑、身体の切断、鞭打ちを行う日になっている」という。
国連の報告書によれば、15歳ほどの若い少年たちが首を切断されたり、女性たちが、不適切な服装をしたなどの「罪」で鞭打たれたり、不倫の罪に問われて石打ちの刑で殺されたりしているという。
子供を含む一般市民らが処刑場所に集められ、見せしめのために行われるこうした残虐な行為を見るよう強制されている一方、多くの少年(10歳程度の子供も含む)がイスラム国に加入させられ、戦闘や自爆テロの任務に就かされるという。
国連調査委員会はこの報告書で、シリアのアサド政権とイスラム国の両方が、戦争犯罪と人道に対する罪を犯していると非難している。
8月中旬にはアメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏がISによって処刑(日本語版記事)され、欧米諸国に大きな怒りを巻き起こした。「イギリス人」と見られる殺人犯を特定するための追跡活動が、イギリスとアメリカの主導で行われている(日本語版記事)。
CNNが行ったインタビュー(動画)のなかで、イスラム国に参加している別の「イギリス人」ジハード主義者は、フォーリー氏の動画で公開されたような斬首刑を実行できることは「名誉」なことだと述べている。
「私は、わが兄弟がジェームズ・フォーリーにしたのと同じようなことをできる機会を、神が与えてくれることを願っている。相手がジェームズ・フォーリーのような人物であっても、シリアのアサド大統領の兵士であっても、アメリカの兵士であってもかまわない。私の両手は、そのような神聖な行為を行う用意ができているのだ」
[Paul Vale(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
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