「或る列車」幻の豪華列車が復刻へ JR九州【画像】

幻の豪華列車でマニアの間では「或る列車」と呼ばれる列車を、JR九州が復刻させることになった。
JR九州

JR九州は8月27日、明治時代に製造されたものの一度も走ることなく廃車になった"幻の豪華列車"を復刻させ、2015年夏から運行すると正式に発表した。大分県の別府〜日田と長崎県の佐世保〜長崎の2区間を交互に運行する予定だという。

車両デザインは、鉄道模型の制作・収集で世界的に有名だった元コクヨ専務、原信太郎(のぶたろう)さんがつくった「或る列車」と呼ばれる模型をもとに、豪華寝台列車「ななつ星」のデザインも手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が設計を手がける。

「或る列車」は「九州鉄道のブリル客車」「九鉄ブリル客車」などと呼ばれるが、戦前の鉄道誌「鉄道趣味」が「或る列車」と題した記事でこれらの客車を紹介したことから、鉄道マニアの間では通称の「或る列車」と呼ばれるようになった。朝日新聞デジタルは「或る列車」について次のように解説している。

モデルとなるのは、明治時代に設立された九州初の鉄道会社、九州鉄道が1906年に米国のブリル社に発注してつくられた列車。完成後に九州鉄道が国有化されると、東京に運ばれ、ほとんど営業運転されなかった幻の客車で、鉄道ファンの間では「或(あ)る列車」という通称で知られている。

 

子どものころに実物を見た原さんは、その記憶や資料をもとにステンドグラスやインテリアまで再現した模型を、7年かけて99年につくり上げた。2年前にオープンし、原さんが館長を務めた原鉄道模型博物館(横浜市)に展示されている。

 

(朝日新聞デジタル「幻の客車、世紀超え復活 来夏九州で」より 2014/07/29 05:00)

新列車は2両編成で定員は約40人。外装は金色の塗装に唐草模様で彩られ、内装は木造で九州各地の調度品を飾り、豪華寝台列車「ななつ星」に次ぐ高級感のある造りにするという。

女性客を主なターゲットに想定しており、社内にはテーブル席とカウンターを設け、有名パティシエが車内で盛り付けをしたスイーツのコース料理を提供するほか、アルコール類も提供するコースを用意する。

JR九州の青柳俊彦社長は記者会見で「ななつ星in九州に1時間だけでも乗ってみたいな、と思っている人に楽しんでいただけると思う」と述べた。

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