文部科学省は8月27日、大学生や専門学校生への奨学金の無利子枠を3万人分増やす方針を固めた。低所得世帯の子どもに対する経済的支援を拡充することがねらいで、国私立大の授業料減免枠も6千人分拡大する。47NEWSが報じた。
来年度予算の概算要求に必要経費を計上する。経済的に苦しい家庭の小中学生には給食費などを補助する就学援助があり、高校には無償化制度が導入されたが、大学などの高等教育は学費も高く、経済的支援も手薄。学ぶ意欲があっても経済的理由で進学を断念することがないように環境整備を進めるのが狙い。
(47NEWS「奨学金の無利子枠3万人増 文科省、授業料減免も拡大」より 2014/08/27 05:35)
私立大学はもちろん、国立大学の授業料は年々増加しており、例えば法学・文学・経済系の1年間の大学授業料の推移(東京都)を見ると、約20年前の1993年の国立大学は約41万円、私立大学では約54万円だったのに対し、2013年は国立大学が約54万円、私立大学は約73万円となっている。
総務省:小売物価統計調査よりHuffPost作成
2008年のリーマンショックがきっかけで、経済的理由から大学進学を断念する若者も増加。大卒の正社員であっても、20代前半の63.7%が年収300万円以下にどどまり、今や進学が必ずしも高収入を保証するものではなくなっている。
国は、日本学生支援機構を通じて奨学金を用意しているが、低所得などが理由で奨学金の停滞者が増加しているなどの報道もあり、奨学金の利用をしり込みする人も少なくないという。そのため、卒業後の年収に応じ返還月額を変える「所得連動返還型」の奨学金の導入や、貸与型ではなく返済不要の「給付型奨学金」の導入が検討されている。
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