火山活動で急成長した小笠原諸島の西之島(東京都)について、溶岩がこのまま活発に流出し続けると斜面の一部が崩壊して父島に津波が押し寄せる可能性があるとの見方を、東大地震研究所の前野深助教(火山地質学)らが8月18日、ホームページ上で明らかにした。
父島側の東斜面が崩れると、津波は高さ1メートル超に達する可能性があるとしている。毎日新聞は次の通り報じている。
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昨年11月、西之島の南東沖に新島が出現し、12月末に西之島とつながった。今も1日20万立方メートル程度の溶岩が噴出し、主に島の東側に流れており、地形が不安定になっている。
溶岩でできた陸地はもろく、ハワイ・キラウエア火山などでも崩落が起きている。前野助教らが4パターンの崩落をシミュレーションしたところ、島の東側で総体積の約4分の1に当たる1200万立方メートルが崩れた場合、約130キロ離れた父島に17〜19分で津波の第1波が到達し、高さは0.5〜1メートル超になるとの結果が出た。津波は2〜3分おきに何度か押し寄せるという。
(毎日新聞「西之島:崩落の恐れ 父島に1メートル超の津波も」より 2014/08/19 11:01)
前野助教は、津波の到達について崩落の17~20分後になるとみていて、「住民が避難するために島の崩落を把握できる仕組みが必要だ」として、津波計を設置するなどの対策が必要だとしている。
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