イギリスのチャンネル4ニュースが公開した強烈な動画が捉えたのは、イラクの少数派ヤジディ派の人たちを救出するイラク軍ヘリコプターの様子だ。過激派組織「イスラム国」に追い込まれ、イラク北部のシンジャール山で身動きが取れなくなっていたのだ。
同局で人道危機を伝えてきた外交問題特派員ジョナサン・ラグマンがヘリコプターに同乗した。
「ヘリコプターでの危険な任務で、十分なものではありませんでした」とラグマンは動画で述べている。「懸念されるのは、もっと救援機を出して人々をこの山から救い出さない限り、数百人、ひょっとしたら数千人の命が失われかねないことです」
ヘリコプターは救援物資を落とした後5分ほど着陸し、ラグマンの表現によれば「我先に搭乗を争う難民」に、乗るよう促した。
「難民たちはドアに設置した機関銃の側を通り抜けて身体を押し込むように搭乗しようとしました」ラグマンは、ニュースサイト「Mashable」の取材に対して自らの体験をこう述べた。「扉を通り抜けようとして、互いの身体に乗っかるようになりながら叫んでいました」
ヘリコプターには25人の難民しか乗せられなかった。
「搭乗できなかった数百人の人たちを残してきました」とラグマンは語った。
シンジャール山にいるおよそ4万人の避難民のほとんどがヤジディ派だ。彼らを殺すと公言していた過激派組織「イスラム国」から逃れるため、8月上旬にこの山に避難してきた。報道によれば、隣国シリアのクルド人反政府勢力の手で少なくとも2万人が救出されたが、残りの市民は依然として身動きが取れない状態だ。イラクの人権団体によれば、少なくとも500人のヤジド派住民が殺され、なかには生き埋めにされた者もいるという。
ケリー国務長官は先週、「イスラム国」の行動は「危険な兆候と大量虐殺の特徴のすべてを備えている」と述べた。
避難についてのジョナサン・ラグマンの報告はこちら:
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