ワシントン・ポストの報道によると、ナイジェリアで現地時間8月8日、新たに4件のエボラ出血熱の疑いがある患者が報告されたが、その全員に、7月25日に死亡したリベリア系アメリカ人のパトリック・ソーヤー氏との接触歴があったという。
リベリアの政府機関で働いていたソーヤー氏は、7月20日にリベリアからナイジェリアのラゴスに空路で到着したが、飛行機を降りた直後に激しい嘔吐や下痢の症状が生じた。同氏は隔離して治療されたが7月25日に死亡し、同国保健相は「エボラ出血熱の感染が確認された」と発表した。
世界保健機構(WHO)のグレゴリー・ハートル報道官は、ワシントン・ポストに対し、「新たな患者の4名は、全員がパトリック・ソーヤー氏との接触者」であり、清掃係や医療従事者が含まれると語った。
WHOによる8月8日付けの報告では、現在ナイジェリアでエボラ出血熱の「強い疑い」または「疑い」のある症例(検査確認はされていないことを意味する)は、この4件を含めて13件となった。
また、8日にはナイジェリアのジョナサン大統領が、エボラ出血熱の流行に対処するための国家非常事態を宣言した。
大統領報道官がロイターに語ったところによると、大統領は1170万ドル相当の緊急予算も承認した。これは「ウイルスを封じ込めるための手段の強化、たとえば隔離施設の増設、患者管理、接触者追跡、追加の人員、国境でのスクリーニング、必要な用品や資材の調達など」に使用されるという。
この致死率の高い感染症の症例と死者は、ナイジェリア、シエラレオネ、ギニア、リベリアの4カ国で報告されており、2014年2月以来の流行で、これまでに1000人近く(8月6日現在のWHO統計では961人)が死亡した。WHOは、現在の西アフリカでのエボラ出血熱の流行は、「国際的な公衆衛生上の非常事態」であると宣言している(日本語版記事)。
[Amanda L. Chan(English) 日本語版:水書健司/ガリレオ]
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