タイ人女性に代理出産を依頼したオーストラリアの夫婦が生まれた男女の双子のうちダウン症の男児の引き取りを拒否したと報じられた問題で、夫妻はこの疑惑を否定している。一方、夫婦の男性には幼い娘への性的暴行歴があることが発覚し、オーストラリア当局は8月6日、この男性の幼い娘に危険が及ぶ可能性についての調査を始めた。時事ドットコムなどが報じた。
豪夫婦は「ダウン症とは知らなかった。心臓疾患で移動は困難だと思った」と釈明している。しかし夫に、少女に対する性的暴行歴があることが発覚。豪当局がタイから連れ帰った女児の身に危険が及ばないか捜査に乗り出すなど、夫婦への風当たりは強い。
(時事ドットコム「障害の男児引き取らず=代理出産で波紋-豪」より 2014/08/06 17:24)
夫婦は、代理母は大規模で国際的な病院で出産するはずだったが、小さな病院に移ったとして「代理出産の契約は無効だ」とも訴えたという。
一方、代理母のパッタラモン・チャンブアさん(21)は5日、記者会見し「赤ちゃんを手放すことはしない」と述べて男の子ギャミー君を育てていく考えを示した。一方、タイ当局は5日、女性が出産した病院が規制に違反した疑いがあるとして調査を開始した。
タイ保健省の当局者がロイターに語ったところでは、当局は5日、チャンブアさんが出産した病院で調査を開始した。違反が認められれば、病院責任者に最高で禁錮1年と罰金が科せられる可能性がある。
タイでは商業的な代理出産は認められておらず、原則的に夫婦の血縁者が代理母になる必要があるが、適当な人物がいなければ例外も認められている。
(ロイター「ダウン症児代理出産のタイ病院、規制違反の疑いで当局が調査」より 2014/08/06 10:21)
この問題は、2013年12月にチャンブアさんがオーストラリア人夫婦からの依頼で代理出産した双子の男女の赤ちゃんのうち、障害のない女の子だけ夫婦に引き取られた。ダウン症だったギャミー君は肺の病気も抱えており、支援のサイトが設けられたり寄付金が寄せられたりするなど、チャンブアさんへの支援の輪が広がっている。
■日本では、一部を認める動きも
日本国内では、代理出産に関する法律がなく、これまで安全性や倫理上の問題が指摘されてきた。一方で、国内には海外での代理出産を紹介する事業者が複数あるが、その実態は明らかになっていないという。
代理出産を含む夫婦以外の第三者が関与する生殖補助医療の法整備について自民党の作業チームが検討を進めていて、代理出産について母親が手術で子宮を摘出した場合などに限って認める法案をことし秋の臨時国会に提出することにしています。
(中略)
およそ20年前からアメリカやタイなどでの代理出産を200組以上の夫婦に紹介してきたという東京都内の事業者は、代理出産を希望する夫婦と事前にカウンセリングを行い、生まれてくる子どもに障害がある可能性について説明したうえで、障害があっても生まれた子どもを受け入れる合意書を専門の弁護士の下、交わしているということで、今回タイで議論になっているような問題はこれまで起きていないとしています。
(NHKニュース『代理出産の女性「赤ちゃん手放さない」』より 2014/08/05 19:37)
タイで代理出産を希望する日本人夫婦は少なくないと見られている。
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