中国企業が海外で初めて建設を請け負った、トルコの首都アンカラと最大都市イスタンブールを結ぶ高速鉄道プロジェクトの第2期工事が完了し、7月25日、正式開通した。中国メディアはこぞってこのニュースを取り上げ、「中国高速鉄道の海外輸出を進める上で、重要な意義がある」などと強調したが、トルコのエルドアン首相が乗った一番電車で技術的問題が発生。首相らは車内に30分間閉じ込められたという。台湾紙・自由時報などが報じた。以下にトルコ高速鉄道の概要と、鉄道輸出に意気込む中国の課題、開通式でのトラブルの様子を紹介する。
■中国が請け負った「難度が高い工事」
トルコ高速鉄道のアンカラ―イスタンブル間は、全長533km。Xinhua.jpによると、第一期工事はスペインとトルコが共同で実施し、第二期工事の158km分は中国とトルコが担った。二期工事は距離は短いが地形が複雑なため、工事の難度は高かったという。
MSN産経ニュースによると、車両はスペイン製、最高時速250kmで、所要時間は従来の6時間余から3.5時間に短縮される。
■鉄道の海外輸出加速、課題は「先進国による規格の独占打破」=中国大使
中国共産党の機関紙・人民日報の海外版は28日、このニュースを取り上げ「これは、中国の高速鉄道の初めての海外輸出であり、海外における『モデル』である」という駐トルコ中国大使のコメントを強調した。
さらに中国大使は、世界輸出加速のポイントとして、中国がヨーロッパや日本などより30〜50%ほど安いコストで高速鉄道システムを供給できることをあげ、「現在の高速鉄道規格の一部は、先進国の独占状態にある。『中国標準』の普及が喫緊の課題」と述べている。
■トルコ首相、30分間にわたり閉じ込められる
25日の開通式では、トルコ首相や中国大使が乗った一番電車が、アンカラからイスタンブールに向けて出発。しかし、途中で突然停止し、トルコ首相らは約30分にわたり、電車に閉じ込められた。このとき中国の関係者は「真っ青だった」と台湾紙・自由時報は報じている。
トルコ高速鉄道のCM
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