[ブリュッセル 24日 ロイター] - インターネット上の「忘れられる権利」の司法判断に対して米グーグル
規制当局は、グーグルが英国の「google.co.uk」など欧州の検索エンジンだけ検索結果を削除した判断に疑問を呈している。
欧州司法裁判所は5月、もはや関係のない昔の個人情報を検索結果から削除するよう求める権利があるとの判決を下した。
グーグルに近い関係者によると、グーグルはこれまでに約9万件の要求に対して半数以上の削除を承認しており、要求のうち15%については追加情報の提出を求めたほか、30%については削除を拒否した。
欧州の個人情報保護当局は24日、グーグル、ヤフー
関係者によると、検索エンジン各社は月内に判決の履行に関してさらに情報提供するよう要請を受けたという。
情報は、検索エンジン側が削除要求に応じなかった際の市民からの苦情に対処するための一連のガイドライン策定に活用する。
指針の草案は9月中旬までにまとまる可能性がある。グーグルは会合の具体的中身については明らかにしなかった。
欧州連合(EU)当局はグーグルがすでに9万件の削除要求を受けていることを踏まえ、加盟28カ国の個人情報保護当局の間で整合的な手法が担保されるよう注意を払っている。
グーグルから削除要求を拒否された人々の不満も漏れ伝わり始めた。英国の情報保護当局では22日の午後までに23件の苦情を受理した。広報担当者が明らかにした。一方、フランスとイタリアの当局では苦情は一桁台にとどまっている。
グーグルが削除要求に応じない場合、個人情報保護機関は「忘れられる権利」を認めた今回のスペインの訴訟のように、法廷闘争に持ち込むことも可能だ。
プライバシーの専門家は、欧州のドメインのみ情報を削除することで、グーグルは判決の意図を実質的に無効化することができると指摘する。
オルスワング法律事務所のパートナー、アシュレイ・ハースト弁護士は「グーグルは判決の効力がグーグルのローカル版のみにしか及ばないと主張している。こうした主張には全く根拠がないように思える」と話している。
一方、グーグルがサイトの管理者に検索結果が削除されたことを通知する方針を決めたことも、EUの競争政策担当者は問題視している。
グーグルは3週間前、英BBC放送の著名ジャーナリストが書いた米金融業界関係者に関する記事と関連するリンクを英ガーディアン紙のサイトから削除し、このことが論争の火種となった。
記者は情報が削除されたことを記事化し、そのことで一段と注目を集めるようになり、誰が削除要求したかについて憶測が飛び交った。この結果、グーグルは記事を再掲載している。
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