肥満大国アメリカでヘルシー弁当を売り、世界の飢餓を救うということ 東京の内科医・関由佳さん

「肥満大国」とも言われるアメリカのニューヨークで、東京の女性内科医が考えたヘルシー弁当が人気を博した。減らしたカロリーの一部は、飢餓に苦しむ国の食事になった。

「肥満大国」とも言われるアメリカのニューヨークで、東京の女性内科医が考えたヘルシー弁当が人気を博した。減らしたカロリーの一部は、飢餓に苦しむ国の食事になった。

(C)Yuka Seki

東京都在住の内科医、関由佳さん(31)=右から4番目=は、2013年9月から2014年7月まで、アメリカ・ニューヨークで、ベジタリアン専門の料理学校やレストランなどで研修した。日本のクリニックで糖尿病の治療やダイエット外来などを担当し、食事法をアドバイスするうち「健康面での食の大切さを世界に発信したい」と思ったのだ。

(C)Yuka Seki

研修の傍ら、2014年1月27日から2月14日まで、ニューヨーク中心部で日本式の弁当店を展開する"BentOn"に、自ら考えた野菜たっぷりのレシピを提供し、「アンチエイジング」弁当を販売した。

第1弾のアンチエイジング弁当。これにご飯がつく (C)Yuka Seki

世界のエグゼクティブが集まるニューヨークはダイエットへの意識も高かった。連日、行列ができ「野菜料理が美味しい」「彩りやバランスがわかりやすい」と好評だったという。7月10日からは第2弾の夏メニューを売り出している。今後も季節ごとにレシピを提供していく予定だ。

(C)Spencer Platt via Getty Images

アメリカは成人全体の35%が肥満というデータもある著書で独自のダイエットメニューを提唱している関さんにとって、自身の食事法を世界に広める第一歩であり、「肥満大国アメリカ」への挑戦でもあった。

(C)TABLE FOR TWO

弁当は8ドル75セント。うち25セント(アフリカの子どもの給食1食分に相当)を、日本発祥の"TABLE FOR TWO"に寄付した。「先進国の食事のカロリーを抑え、その分を発展途上国の子どもの食事に回す」という発想で2007年から活動する。2014年冬の販売分は1500個が売れ、計375ドルの寄付になった。

ニューヨークの研修で関さんが手がけたメニュー (C)Yuka Seki

煮物や根菜料理など、日本の低カロリーな家庭料理はアメリカでも有名だ。一方で「ニューヨークはサラダバーを備えたレストランも多いし、スーパーにはケールやビーツなど色の濃い野菜が豊富。コメや豆をサラダに取り入れる食べ方など、野菜の多彩な取り方は勉強になった」と関さんは話す。

(C)Taichiro Yoshino

ニューヨークも一歩、郊外ニュージャージーに出れば車社会になり、肥満の人と遭遇する頻度も増すという。「幼い頃からの食習慣や、親のしつけも大きい。食育に力を入れることで世界は変わる。日本の食文化と合わせて発信していきたい」と話した。

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