[グラボベ(ウクライナ) 17日 ロイター] - マレーシア航空の旅客機が墜落したウクライナ東部の現場では、消防士が大破した機体や粉々になった遺体からくすぶる煙に放水する姿があった。
墜落地点はロシアとの国境から約40キロのグラボベ近郊だが、そこから20キロ離れた場所でも同機の残がい見つかった。
Advertisement
遺体は数キロメートルの範囲にわたって散乱。墜落原因などをめぐる議論は熱を帯びているものの、乗客乗員295人の命は絶望的というほかない惨状だ。
目撃者の1人は「バンという大きな音がした。距離が近くて怖かった。空を見上げると、黒い破片が雨のように落ちてきた」と説明。「その後、飛行機が地面に墜落し、真っ二つになるのが見えた。濃い黒煙が舞い上がった」と振り返った。
墜落したのは、アムステルダム発クアラルンプール行きのボーイング777型機。現場では、折れた尾翼などが散乱しており、赤青のマレーシア航空のロゴもはっきりと確認できた。
自宅のバルコニーから墜落を目撃したという分離派の男性は「飛行機がかなりの高さから落ちてきた。その後に2回の爆発音が聞こえた」とコメント。その上で、「これは戦闘機か地対空ミサイルが撃墜したとしか思えない」とし、分離派にはそのような高さを飛行する航空機を撃ち落とせる武器はないと話した。
Advertisement
今回の墜落をめぐっては、米当局は「空中で爆発した」として、地対空ミサイルによるものとの見方を示した。ウクライナ当局は、親ロシア派武装勢力がロシアの軍事諜報当局者の支援を受け、ソ連時代に開発されたSA11地対空ミサイルにより撃墜されたと非難。
一方で親ロシア分離独立派の「ドネツク人民共和国」の指導者は関与を否定、ウクライナ空軍のジェット戦闘機が撃墜したと指摘した。
【関連記事】
関連記事