小型マグロ類「スマ」が、新たな養殖魚として注目を集めている。スマは漁獲量が少ないが、クロマグロの近縁種で味も近く、市場では1kgあたり1700〜2000円と高値で取引されるため、「幻の高級魚」として期待できるという。MSN産経ニュースが報じた。
24年度から養殖研究に乗り出した和歌山の県水産試験場では産卵や稚魚の飼育に取り組んでおり、担当者は「南方系の魚なので冬場を越せるような飼育方法など課題も見えてきた」。同県と共同研究している竹内裕・東京海洋大先端科学技術研究センター准教授は「養殖のノウハウは研究を続ければ得られるが、知名度が低い魚だけにマーケットを作っていくことが課題になる」と指摘している。
(MSN産経ニュース『小型マグロ「スマ」に注目 新たな養殖魚へ愛媛県など研究本格化』より 2014/07/14 02:03)
「本マグロ」とも呼ばれ、高級なすしネタとして人気のクロマグロは、日本のみならず世界的な需要の増加による乱獲で、資源の減少が著しくなっている。
2013年12月に中西部太平洋まぐろ類委員会は、太平洋で捕獲する幼魚のクロマグロを15%以上減らす決定をしたが、2014年5月には日本やアメリカなどの科学者や政府関係者でつくる国際機関が「この漁獲規制だけでは資源回復は望めない」とする報告書をまとめ、さらなる漁獲量削減を求めている。
クロマグロは近畿大学などによって養殖の研究が進められているが、体のサイズが1〜2mと大きかったり高速で遊泳したりするため、養殖では非常に扱いにくい魚とされる。
一方スマ(地方名:ヤイト、ヤイトガツオ)は一般的なサイズが40〜50cmで、これまでブリやマダイなどの養殖で使われていた設備を使うことができる。
味や食感も、天然のスマは「カツオとマグロの中間のような味」「刺身のもちもち感」などと評されているが、養殖のものはクロマグロに似た味になるという。
スマの養殖を研究している愛媛大学南予水産研究センターの後藤理恵・准教授は2016年度をめどに、養殖の実用化につなげたいとしている。
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