「空を飛ぶ喜びを一度でも味わったものは、 常に空に目を向けて歩くようになるだろう」と、レオナルド・ダ・ヴィンチが空想にふけたのは有名な話だ。ダ・ヴィンチの航空機スケッチからマルク・シャガールの夢見心地の絵まで、長い間アーティストたちは飛行と浮遊の可能性に魅了されてきた。芸術が21世紀の先端技術を使えるようになると、「飛行体験」の夢がより現実的となった。その一例が、目を釘付けにする空中浮遊写真の作品である。
デーモン・ダーレン作「黒い風船の戯れ」
まるで催眠術にかかったかのようにみえる、めまぐるしく変化するビジュアルトリックと驚くような美しさをもつ動画は、写真家のデーモン・ダーレンの作品である。不可能を可能にしたかのように見えるこの一連の浮遊写真シリーズは彼の創作だ。不思議な軽やかさで重力をものともしない男女が、空中でダンス、落下、浮遊、飛翔している。この驚愕の動作はGIF動画形式でまとめられ、空中浮遊に新しい極限美をもたらしている。
この空中浮遊のアート作品を創作するため、ダーレンは静止画像を一枚一枚組み合わせるという複雑な処理を行っている。「通常、浮遊する人(椅子やはしごに座っているフレーム内の人物) を撮影してから、ベース写真を撮影します。その後、ベース写真の上に浮遊写真を重ね、人物を支えている物体を取り除きます」と彼は説明してくれた。彼のGIF画像の動画は、さらに複雑であり、完成までに1、2時間から数日要することがある。前述のプロセスを何度も繰り返す必要があり、複数の写真を撮影し、スピード感やインパクトを考慮に入れながら、複数の画像をめまぐるしく動く動画にまとめている。
「GIF動画は、写真とビデオの間の壁を取り払うという意味で素晴らしいですね」と、ダーレンは付け加えた。「GIFは、単に動画の面白い部分を簡単にまとめるために使うメディアではなくなりました。フォトショップの機能が強力になり、新しい性能が現実化したことで、アーティストはそれまで不可能だった領域で創作できるようになり、可能性は無限のように思えます」
陰のある操り人形や極めて優美なオルゴール人形などの彼の完成作品は、複雑な作業を行うだけの価値が十分あるようだ。ダーレンの魔法を使ったようなGIF動画に目を通し、コメント欄で彼の浮遊スタイルに対する感想を教えてほしい。
編集後記: デーモン・ダーレンはハフィントンポストの写真家で、ここで紹介した画像はプロのアーティストとしての彼の幅広い作品の中のほんの一部に過ぎない。このシリーズ中のモデルの多くは、実は、ハフィントンポストの著者、編集者、スタッフメンバーである。彼の作品は、ロンドンのサーチ・ギャラリーで紹介されたことがあり、多数の浮遊写真を下に紹介するので見てほしい。他の美しい浮遊アートとして、ダーレンのお勧めは『よわよわカメラウーマン日記』と『Ms. Aniela』である。
[Katherine Brooks English Translated by Gengo]
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