北朝鮮制裁の一部解除を発表 拉致再調査「かつてない態勢」と評価

安倍晋三首相は7月3日、北朝鮮への独自制裁を一部解除すると発表した。2日までの日朝協議で、北朝鮮から、日本人拉致被害者などを再調査する特別調査委員会の構成について提示され、実効性のある「かつてない態勢ができた」と判断した。
時事通信社

安倍晋三首相は7月3日、北朝鮮への独自制裁を一部解除すると発表した。2日までの日朝協議で、北朝鮮から、日本人拉致被害者などを再調査する特別調査委員会の構成について提示され、実効性のある「かつてない態勢ができた」と判断した。

日朝交渉の結果、拉致問題を含め、全ての日本人に対する調査が国防委員会、国家安全保衛部という国家的な決断、意思決定をできる組織が前面に出るという、かつてない態勢ができたと判断した。従って、行動対行動の原則に従って、日本が取ってきた一部の措置を解除することとしたいと思う。しかし、これはスタートでしかない。全面的な解決に向けて一層、身を引き締めて全力で当たっていく決意だ。

(時事ドットコム「安倍首相発言全文=一部制裁解除」より 2014/07/03 11:20)

拉致問題に関する4大臣会合と、国家安全保障会議の9大臣会合で決定した

特別調査委員会は約30人で、秘密警察の「国家安全保衛部」と一般警察の「人民保安部」、軍事部門を統括する「人民武力部」など、公安・軍事部門のメンバーも含まれる。「拉致被害者」「行方不明者」「日本人遺骨問題」「残留日本人・日本人配偶者」の4分科に分かれて調査する。調査の進捗状況に応じ、日本からの調査団も受け入れる。

菅義偉官房長官は3日午前の会見で、特別調査委員会は4日に発足すること、調査結果の最初の通報は2014年夏から秋が望ましいと北朝鮮側と認識が一致したこと、調査期間のめどは1年とすることなどを説明した

日本側は、以下の経済制裁を解除する。

解除するのは、北朝鮮当局者の入国禁止などの人的往来の規制▽10万円超の現金持ち出しや300万円超の送金の届け出義務▽人道目的の北朝鮮籍船の入港禁止――の3点の制裁措置。委員会が発足する4日の定例閣議で制裁解除を正式決定する。貨客船「万景峰号」の入港禁止や、北朝鮮からの航空チャーター便の乗り入れ禁止などは当面維持する。

(朝日新聞デジタル「北朝鮮への制裁一部解除 拉致再調査、実効性あると判断」より 2014/07/03 11:45)

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