イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ヘブロン近郊で6月30日、行方不明になっていたイスラエルの少年3人とみられる遺体が発見された。イスラエルのネタニヤフ首相は、自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの犯行と主張、報復を宣言した。時事ドットコムなどが報じた。
地元メディアによると、イスラエルのネタニヤフ首相は治安閣議の席上、「ハマスは報いを受けることになる」と強調した。AFP通信によれば、イスラエル軍は7月1日にヘブロンで、事件に関与したとされるハマス所属の男2人の自宅を破壊した。
一方、ハマスの報道官は「(ハマスへの攻撃は)地獄の扉を開くことになる」と述べ、けん制した。
(時事ドットコム「誘拐の3人、遺体で発見=ハマスに報復攻撃も-イスラエル」より 2014/07/01 10:45)
少年3人のうち2人は16歳で、1人は19歳。3人は6月中旬、西岸のユダヤ人入植地付近で夜間にヒッチハイクをしていた際に行方不明になった。遺体はそこから遠くない場所に埋められていた。地元メディアは誘拐直後に射殺された可能性が高いと報じているという。
ハマスは犯行への関与を否定している。3人の遺体が発見されたあとにイスラエル軍とパレスチナ人との間で衝突も起きていて、一触即発の事態となっている。
パレスチナ自治政府とハマスは暫定統一政府を樹立したばかり。ハマスは一貫して事件への関与を否定しているが、ネタニヤフ首相はパレスチナのアッバス議長に統一政府を断念するよう要請してきた。イスラエルの報復内容次第ではパレスチナとの緊張が高まり、衝突が拡大する可能性もある。アッバス議長は30日夜、臨時幹部会を開催。米欧各国にも、イスラエルの報復を抑止するよう支援を求めたという。
(毎日新聞「イスラエル:不明3少年の遺体発見 ハマス関係者2人捜索」より 2014/07/01 10:38)
■オバマ大統領「最大限の強いことばで非難する」
アメリカのオバマ大統領は30日、「アメリカは罪のない少年に対する愚かなテロ行為を、最大限の強いことばで非難する」とする声明を発表した。
オバマ米大統領やローマ・カトリック教会のフランシスコ法王、国連の潘基文(パンギムン)事務総長ら世界の指導者も30日、相次いで犯行への非難声明を出した。オバマ大統領は一方で「すべての関係者に対し、状況を不安定化させる動きを慎むよう求める」と呼び掛けた。
(CNN『不明の3少年の遺体発見か イスラエル首相は「報復」を明言』より 2014.07.01 09:36)
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