ワールドカップで勝てない韓国 サッカー協会がムダにした4年間

ワールドカップブラジル大会で、日本代表と同様、勝ち点1で決勝トーナメント進出を逃した韓国代表。ハフィントンポスト韓国版はえり好み人事に明け暮れ、代表強化の長期構想を持てない韓国サッカー協会の体質を指摘している。
SAO PAULO, BRAZIL - JUNE 26: South Korea players look dejected after a 0-1 defeat to Belgium in the 2014 FIFA World Cup Brazil Group H match between South Korea and Belgium at Arena de Sao Paulo on June 26, 2014 in Sao Paulo, Brazil. (Photo by Phil Walter/Getty Images)
SAO PAULO, BRAZIL - JUNE 26: South Korea players look dejected after a 0-1 defeat to Belgium in the 2014 FIFA World Cup Brazil Group H match between South Korea and Belgium at Arena de Sao Paulo on June 26, 2014 in Sao Paulo, Brazil. (Photo by Phil Walter/Getty Images)
Phil Walter via Getty Images

ワールドカップブラジル大会で、日本代表と同様、勝ち点1で決勝トーナメント進出を逃した韓国代表。ハフィントンポスト韓国版は「サッカー協会がワールドカップをぶち壊した」とのタイトルで、えり好み人事に明け暮れ、代表強化の長期構想を持てない韓国サッカー協会の体質を、韓国紙「ハンギョレ」を引用して指摘している。

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韓国サッカー代表は16年ぶりにワールドカップのグループリーグで1勝もできず、ベスト16に進めなかった。2002年日韓大会ベスト4、2010年南アフリカ大会で他国開催初のベスト16を記録した韓国サッカーが、ワールドカップの添え物扱いだった1990年代に逆戻りした。韓国サッカーのグランドデザインを描くはずの韓国サッカー協会の無能さが根本的な要因だという指摘が出ている。

協会のブラジル大会の準備過程は16年前と同じだった。1998年のフランス大会、協会は大会を約1年後に控えた時点で、代表監督を朴鍾煥(パク・チョンファン)から車範根(チャ・ボムグン)に交代させた。朴監督が就任してわずか11カ月後のことだった。協会は、車監督がグループリーグで2連敗を喫すると、最後の試合前にフランス現地で車監督を電撃的に解任した。車監督がチームを引き受けて15カ月しかたっていなかった。

2010年の南アフリカ大会後には、代表監督を引き受けた趙広来(チョ・グァンネ)監督を15カ月後に解任した。趙監督は4年後を見据えて代表チームに「先進サッカー」を教え込むとしてチームを率いたが、協会は日本との親善試合に負けた責任を問い、技術委員会さえ開かないまま、趙監督を更迭したのだ。以後、代表チームを率いてブラジル大会の本戦進出を果たした崔康熙(チェ・ガンヒ)監督が「予選突破まで」との公約通り退任すると、協会は洪明甫(ホン・ミョンボ)監督に慌ててバトンを渡した。

海外リーグで活躍する選手が中心になった代表チームにとって、年数回の国際試合と約1カ月のキャンプだけでは、ワールドカップを戦うにはあまりにも時間が足りない。だから監督が長期間にわたって選手を観察して教え込み、チームを完成させなければならないのに、協会は「4年構想」すら我慢できなかった。2002年日韓大会のベスト4、2010年南アフリカ大会のベスト16入りは、協会がフース・ヒディンク、許丁茂(ホ・ジョンム)の両監督に3年以上の任期を与えたからだ。

協会の競争力が低いのは、首脳陣が「サッカー政治」に明け暮れているからだ。執行部ら既得権層は徹底的に自分寄りの人物を引き込み、反対派は排除する。自分のカラーが強かった趙広来監督を選んだことで、協調路線がとられるのかと思いきや、2年も持たなかった。ベストの布陣で臨むべき代表チームは、チームの路線や選手構成で混乱し、4年の歳月を無駄に過ごした結果がブラジルで露呈した。

韓国サッカーの貴重な人材のはずの洪明甫監督も致命傷を負った。評論家のキ・ヨンノ氏は「協会は、準備もろくにできていなかった洪監督を選び、準備期間もまともに確保しなかった。だから1勝もできずにグループリーグ敗退につながった」と述べた。あるサッカー関係者は「すべての問題は協会の派閥争いに起因する。代表チームに最高の価値を置かず、人脈や縁故で企業のオーナーのように『気に入らない』からと切り捨てる」と話した。

協会は、代表チームがアメリカでの直前キャンプに出発する直前、選手に予防接種をしたが、キャンプ中に一部の選手が高熱を出し、練習に参加できなかった。日本サッカー協会が3カ月前から予防接種をしていたのに比べると、準備が足りなかった。

代表チーム強化の責任を負う技術委員会が役割を果たせなかったという指摘もある。代表選手経験のある監督の一人は「アルジェリア戦などの試合を見る限り、技術委員会が他のチームの正確な情報を持っていたのか、収集した情報が選手に伝わったのか疑わしい」と指摘した。技術委員会は監督選任と代表チーム構成において独立性を保証されてはいるが、代表選手選考の際にアドバイスしたかどうか疑問だ。選手選考の権限が最終的に監督にあるのは事実だが、洪監督がブラジル大会の最終エントリーを発表するまで、技術委員が名簿を知らなかったという話がある。

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