[東京 24日 ロイター] - パイオニア
オンキヨーとは、赤字が続くAV機器事業を共同運営して収益改善を目指す。売却金額やスキームなど詳細を詰め、8月末の最終合意を目指す。
パイオニアは昨年7月、DJ機器を除くAV機器事業を分社化。ブランド力のあるDJ事業を本体に残す一方で、ミニコンポ、DVD、ブルーレイディスク、ホームシアターシステムなど、苦戦するAV機器事業を別会社化し、売却先を探していた。
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同日、AV機器事業の売却で基本合意したのは、(1)投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(本社:香港)が51%を取得する、(2)残り49%の一部をオンキヨーが出資するーーの2点。今後、資産査定に入り、8月末までに売却金額とパイオニア、オンキヨーの出資比率を詰める。
パイオニアの2014年3月期の連結売上高4981億円のうち、DJ事業を含むホームエレクトロニクス事業は1080億円。このうち、今回、過半数を売却するAV機器事業の売上高は700億円前後で赤字が継続している。
AV機器事業は、連結グループから外した後も「パイオニア」のブランドを継続使用する方針。競合関係にあるオンキヨーと設計開発・製造・物流・サービスを共通化し、連携して赤字脱却を目指していく。
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オンキヨーの2014年3月期の連結売上高は360億円で、営業利益は2.9億円。ミニコンポやスピーカーシステムなどパイオニアと競合する製品がほとんどだが、パイオニア子会社への出資で規模拡大による効率化を図っていく。
パイオニアは既にカーナビなど自動車用事業に経営資源をシフトしている。14年3月期のカーエレクトロニクス事業の売上高は3481億円で、今後の新規投資も自動車関係に集中する。
(村井令二 編集:山川薫)