セクハラやじ、海外メディアも報道 「日本では職場の性差別が当たり前」

東京都議会で、みんなの党会派の塩村文夏議員が晩婚化対策を質問した際に、男性の声で「自分が早く結婚すればいい」などとヤジが飛んだ問題で、海外メディアでも「日本では職場の性差別が当たり前」など日本社会に根深い問題だと報じられている。
時事通信社

東京都議会で6月18日、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が晩婚化対策を質問した際に、男性の声で「自分が早く結婚すればいい」などとヤジが飛んだ問題で、海外メディアでも報道が相次いだ。「日本では職場の性差別が当たり前」「女性議員が少なすぎる」など日本社会に根深い問題だと報じられている。

■「女性はお茶くみを要求される」とロイター

アメリカのケーブルテレビ局CNNでは20日、「都議会の性差別主義者の発言で怒りが爆発している」 と報道。日本社会について以下のように書いている。

日本では職場の性差別は当たり前だ。また、結婚や子育てよりも仕事を選ぶ女性が増えることで、今後出生率が低下し続けることが以前から懸念されてきた。安倍首相は職場の男女格差是正を目指す「ウーマノミクス」を推進しているが、依然として管理職の大半を男性が占め、権威も給与も男性が女性を上回っているのが実態だ。

(CNN「都議会の性差別主義者の発言で怒りが爆発している」 2014/06/20 14:35)

イギリスの通信社ロイターも速報。「日本の女性は多くの場合後、出産後は仕事を離れることが奨励される。多くの働く女性は、男性の同僚に対して召し使いのようにお茶くみをすることを要求されている」とした上で「2020年に夏期オリンピックを開催する日本政府は、非難の洪水を浴びている」と、五輪開催地としての立場を強調した。

■「性差別的な虐待を受ける」とガーディアン

同じくのイギリスの新聞社ガーディアンも同日、「女性議員が、性差別的な虐待を別の議員から受ける」と報じた。塩村議員の投稿のリツイートが2万回を超えたことなど、日本国内で反響の大きさを報じた後に、「都議会の議員構成は、127人中で女性は27人だけ。日本において女性の影響力が低いことを示している。772人いる国会議員でも女性は78人すぎない」として、日本で女性の政治参加が進んでない状況を伝えている。

■ウォールストリートジャーナルは単独インタビューを実施

アメリカの経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の電子版は、塩村議員の単独インタビューを実施した。塩村議員は女性向けの政策を進める際の注意点について、次のように答えている。

政治家は実際の女性の声を聞いて、理解する必要があると私は思っています。今回の男性議員のヤジは、結婚していなかったり、子ども産むことができない女性の意見は聞く価値がないと思っていることを示しています。そのような政治家が、結婚したいけどできない女性や、子供を産みたくでもできない女性のために政策を練ることは困難でしょう。

(ウォール・ストリート・ジャーナル「インタビュー:セクハラやじを受けた女性都議の考察」2014/06/30 16:45)

報道されたのは欧米圏だけではない。ハフィントンポスト韓国版は21日、ヤジを浴びせた政治家への厳罰を求めるネット上での署名が6万3000人に達したことなどの事実関係を説明したあと「日本の地方議会で出産支援策を訴える女性議員に、ヤジを浴びせかけた政治家を捜し出して懲戒せよという世論が沸騰している」と紹介している。

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