第2次世界大戦中の旧日本軍の従軍慰安婦に対し、募集や管理での強制性を認めた1993年の内閣官房長官談話「河野談話」について、安倍政権の検証チームは6月20日、検証報告書を衆院予算委員会に提出した。
報告書では、談話を作成する過程で、韓国側と水面下で事前に文言調整していたことや、それを非公表とすることを日韓間で決めていたことなどが記載されている。
報告書は(1)談話作成時に韓国側と文言調整していた(2)元慰安婦とされた女性への聞き取り調査では、事後の裏付け調査を行わなかった-ことを明記した。
談話発表の直前に、日韓両政府が文言調整の事実を対外的に非公表とすることで一致していたことも明らかになった。
政府は4月下旬から、菅義偉官房長官の下に設けた有識者5人のチーム(座長・但木敬一元検事総長)で談話の作成過程の検証作業を実施。当時の資料などを基に調べた。
(時事ドットコム『河野談話、韓国と文案調整=「元慰安婦」に裏付け調査せず-政府が検証報告書』より 2014/06/20 16:45)
日本政府は、河野談話そのものを見直すことはないとしている。
岸田外務大臣は、閣議のあとの記者会見で「報告が行われれば、韓国側にも、さまざまなルートを通じて丁寧に説明していかなければならない。今回の検証は作成過程の事実の確認であり、談話そのものの見直しは全く考えていないということをしっかりと説明したい」と述べました。そのうえで、岸田大臣は「韓国側にも今回の検証の意味やありようを理解してもらい、日韓関係を前向きな方向で捉えられるよう、しっかりと努力したい」と述べ、韓国側の理解を得られるよう努力する考えを示しました。
(NHKニュース『河野談話検証結果 外相「韓国にも説明」』より 2014/06/20 16:56)
一方で韓国政府は、検証作業そのものに反発しており、外交省は15日に「日本政府が河野談話を毀損(きそん)する検証結果を発表する場合、我が政府は歴史的な真実と責任に関する資料を積極的に提示する」とのコメントを出した。
関連記事