明治や森永、ロッテなどの大手菓子メーカーは、7月からチョコレート菓子の価格を引き上げる。チョコレートの原料であるカカオ豆の価格が高騰しているためだという。4月に消費税が上がったばかりということもあり、価格は据え置き、内容量を減らすことで対応するメーカーも多いという。毎日新聞などが報じている。
明治は7月から板チョコの「ミルクチョコレート」を55グラムから50グラムに減らし、縦横を約1センチずつ小さくする。また、「アーモンドチョコ」をこれまでの1パック23粒から21粒に減らすなど、チョコレート商品計10品目の内容量を4〜9%減らす。(中略)
背景には、中国やインドなど新興国の経済成長に伴うチョコ需要の高まりで、原材料のカカオの価格が上昇していることがある。(中略)さらに、今夏はエルニーニョ現象の影響で、インドネシアなど主要生産国で天候不順に陥り、供給量が減るとの懸念も台頭している。
(毎日新聞『食品:ハム、チョコ値上げへ…内容量減で「据え置き」も』より 2014/06/15 22:36)
国際ココア機関(ICCO)によると、カカオ豆の価格は、2013年3月から上昇を続けている。また、今後5年にわたりカカオ豆の需要が生産を上回るとICCOは予想しており、今後もチョコレート価格が高騰する公算が大きいという。
カカオ豆高騰の背景には、コートジボアールなどカカオ豆の生産地で、カカオ豆の生産をやめて天然ゴムといった収益性の高い農産物へ移行する生産者が増えていることがある。
チョコレート産業はマーケットが大きいにもかかわらず、カカオ農家の多くは貧困状態にあった。チョコレートの売り上げは、その70%がマーケティングや調査、開発などに使用されており、カカオ豆の生産者が得る収入は、たった6%という産業構造になっているためだ。コートジボアール政府は2012年、農家から売られるカカオの価格を大幅に引き上げる施策を実行したがまだ十分とはいえない。専門家は、カカオ豆の生産を促すためには、さらなるカカオ豆の価格の引き上げや、各国政府が強調して行動する必要があると指摘している。
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