インドのモディ首相は6月16日まで2日間、初の外遊として隣国ブータンを訪問した。ブータンのトブゲイ首相との首脳会談では、中国とインドの間に挟まれたブータンに対して、中国に接近しないように暗に警告した。インドのテレビ局「NDTV」は、モディ首相は次のように話したと報じている。
「幸福を確かなものにするには、どんな隣国を持つかが重要だ。ときどき、隣国のせいで、あらゆる幸福と繁栄があっても平和に暮らすことができないこともある」
ブータンは、経済成長より国民総幸福量(GNH)を重視する政策を採っている。モディ首相は「幸福」というキーワードを使って、経済や安全保障の支援をするインドとの関係を尊重して、中国に接近しないよう呼びかけたと言えそうだ。NDTVによると、モディ首相はインドの重要性を次のように訴えたという。
「ブータンの幸福の指標の一つは、インドのような友好的な隣国を持つことだ。なぜなら隣国にとって何が利益で、何が問題なのか私たちは知っているからだ」
日本政府はモディ首相の初外遊先が日本になるように働きかけていたが、実際にはブータンが選ばれた。ブータンでは前政権で中国に接近した過去があるため、早めに釘を刺す必要があると判断したようだ。MSN産経ニュースは次のように報じている。
ブータンは、経済や安全保障をインドに大きく依存している。しかし、ティンレイ前政権は外交の拡大路線を取る中で中国に接近する姿勢を見せ、インドが昨年夏、家庭用ガスなどの補助金を打ち切った。その後の総選挙で野党が勝利し、補助金が復活した経緯がある。
(MSN産経ニュース「インド首相 初外遊はブータンに 対中牽制、訪日は来月」2014/06/07 09:13)
モディ首相は7月上旬に訪日して安倍首相と首脳会談をする予定。軍事的に台頭する中国をめぐって、日本にも協力を求めると見られている。
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