ブラジルで開催されるワールドカップ。息が詰まるような暑さのため、水分補給のためのタイムアウトは確実に取られるだろう。しかし、一部の出場選手たちは、大会期間中の決勝トーナメントが始まるころに、ラマダンの影響も受けるかもしれない。イスラム教における断食のことだ。
今年のラマダンは、決勝トーナメント第1回戦初日の6月28日に始まり、ワールドカップが終了してからずっと後の7月27日まで続く(イスラム暦は太陰暦で閏月による補正を行わないため、毎年日程が変わり、およそ33年で季節が一巡する)。
ラマダンは、イスラム教徒たちが「自己鍛錬の精神と自制心、寛大さ」を学ぶことを目的とする儀礼で、日の出から日没まで食事を取ってはならない。イスラム教徒の出場選手の中には、大会期間中に食事が取れるよう許可を求めた者もいるが、ラマダンに忠実に従おうとしている選手もいる。
一部の選手たちは、母国とは違う湿度の高いブラジルの気象条件に、さらにこの断食が加わることによって、苦労を強いられるかもしれない。
フランスチームのカリム・ベンゼマ選手とバカリ・サニャ選手、ママドゥ・サコー選手、ムサ・シソコ選手らは、イスラム教の儀礼を実践している。欠場が決まっているサミル・ナスリ、フランク・リベリーの両選手もイスラム教徒だ。
ほかのイスラム教徒の選手としては、マンチェスター・シティーFCのストライカーであるエディン・ジェコ選手が率いる、ボスニア・ヘルツェゴビナチームの多数の選手が挙げられる。また、スイスのミッドフィールダーであるジェルダン・シャチリ選手や、ドイツのプレーメーカーであるメスト・エジル選手と、同チームのサミ・ケディラ選手もイスラム教徒だ。
ベルギーチームでは、アドナン・ヤヌザイ選手に加え、チームの原動力となるであろうムサ・デンベレ選手とマルアン・フェライニ選手もイスラム教徒だ。
上述のチームの大半が、決勝トーナメントに進むと予想されている。
リオ・デ・ジャネイロの現在の日照時間は11時間だが、各国のコーチたちにとって、今年のラマダンのタイミングは理想的とはいえない。もっとも、コロ・トゥーレ選手はラマダンについて次のように述べている。「自分としては、ラマダンによってさらに強くなる感じがする。人を本当に強くできるラマダンの力は驚異的だと思う」
スライドショーでは、イスラム教徒のサッカー選手たちを紹介している。
[Samuel Luckhurst(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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