安倍晋三首相が5月30日、シンガポールでのアジア安全保障会議で基調講演し、質疑応答の際に自身の靖国神社参拝を「国のために戦った方に手を合わせる、冥福を祈るのは世界共通のリーダーの姿勢だ」などと語り、会場が拍手に包まれる一幕があった。MSN産経ニュースなどが報じた。
講演後の質疑で、出席者の中国人男性が昨年の首相の靖国神社参拝について「先の大戦で日本軍に中国人は殺された。その魂にどう説明するのか」と質問したのに答えた。
首相は「法を順守する日本をつくっていくことに誇りを感じている。ひたすら平和国家としての歩みを進めてきたし、これからも歩みを進めていく。これは、はっきり宣言したい」とも述べた。
(MSN産経ニュース「首相の靖国参拝発言で会場に賛同の拍手 アジア安保会議」より 2014/05/31 09:09)
安倍首相は講演で、南シナ海で緊張をもたらしている中国を念頭に「既成事実を積み重ね、現状の変化を固定しようとする動きは、強い非難の対象とならざるを得ない」と強くけん制。中国と領有権を争うフィリピンに新しい巡視艇10隻を供与する方針を表明した。
首相は講演で「法の支配」の重要性を重ねて強調。「東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の間で、真に実効ある行動規範が速やかにできるよう期待してやまない」と関係国に努力を促した。
また、南シナ海で中国と領有権を争っているフィリピンやベトナムが、国際法に基づいた平和的解決を目指していることに支持を表明した。「日本は、ASEAN各国の海や空の安全を保ち、航行・飛行の自由を保全しようとする努力に対し、支援を惜しまない」と述べ、新たな防衛装備移転三原則に基づき、警戒・監視などの分野で防衛装備品供与を含む支援に乗り出す考えを示した。
(時事ドットコム『中国念頭に「強い非難」=フィリピンに巡視艇10隻供与-アジア安保会議で安倍首相』より 2014/05/30 22:43)
安倍首相はまた、持論の「積極的平和主義」を「日本が掲げる新しい旗」と紹介し集団的自衛権の行使容認について、国内で検討を進めていることを説明した。
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