アメリカではここ半年の間に、6歳から17歳の子供のおよそ13人に1人(7.5%)が、情緒的および行動的に問題があるとして処方薬による治療を受けていることが、このほど政府機関が発表した報告で明らかになった。
米疾病管理予防センター(CDC)の報告の中で研究者は、「過去20年の間に、精神障害治療に薬物を使用する例は、学齢期の全児童、およびほとんどのサブグループの子供において、大幅に増加している」と述べている。
NBCの報道によると、今回の調査結果は、1万7000人の子供の親を対象に、2011年から2012年の間に実施された面接調査をもとにしているという。研究者によると、処方薬による治療を受けた子供を持つ親のうち80%以上が、子供はADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されたと述べたという。
薬物治療を受けている子供の半数以上(55.1%)の親は、薬が「非常に効果があった」、26%の親は「多少の効果があった」と答えている。一方で、18.9%の親は、「ごくわずかしか効果がなかった」または「全く効果がなかった」と答えた。
薬物治療を受ける子供は、貧困ライン(必要最小限の生活必需品を購入できる収入水準にあることを表す統計上の指標で、2012年(日本語版記事)は5人家族で2万7010ドルだった)未満の収入で生活を送る家族に多いという傾向がある。
加入している医療保険によっても違いが見られた。私的な医療保険に加入している家庭の場合、薬物治療を受ける子供は全体のうち6.7%だが、メディケイド(低所得者層向け公的医療制度)ならびに児童医療保険プログラム(メディケイドの受給資格を持たない低所得世帯の無保険児童向け)を受けている子供の場合は、全体の9.9%と高くなっている。また、無保険の子供の場合は2.7%と低い。
男女別で見ると、薬物治療を受ける子供は、男子のほうが女子より多い。女子が5.2%であるのに対し、男子は9.7%だ。また、黒人(7.4%)やヒスパニック系(4.5%)と比べて、ヒスパニック系でない白人(9.2%)で、割合が多かった。
米疾病管理予防センター(CDC)のサイトによると、ADHDと診断された子供の割合は、2003年には7.8%だったが、2011年には11%に増加している。2011年には、4歳から17歳の子供のうち、ADHDと診断された者は全体の約11%にのぼったという。
[Amanda L. Chan(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]
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